2012年8月14日(火)
海外生産
理由最多「人件費」
大企業調査 法人税は1割だけ
日本政策投資銀行がこのほど発表した「企業行動に関する意識調査」(6月実施、複数回答)によると、「国内からの輸出ではなく海外生産を行う理由」として最も多いのが「人件費等製造コストの低さ」(76・1%)でした。次いで「需要地への輸送コストの低さ」(42・6%)となっています。法人税率など「現地政府による優遇政策」は10・4%にすぎず、海外進出の主な理由でないことが示されました。
投資先で「最も重視する国・地域」は、需要が旺盛な中国と東南アジア諸国連合(ASEAN)がそれぞれ3割を超えています。「米国・EU(欧州連合)」は4・2%にとどまっています。
今後の「中期的な海外の生産・サービス供給能力の見通し」について、「増加」させるとした回答は8割近くに達しました。業種別でみると、自動車など輸送機械は92・9%と最多で、化学が79・7%、電機77・8%となっています。
海外拠点における原材料・部材の調達について、国内メーカーからの調達を「減少」させるとしたのは24・1%で、「増加」(11・0%)を上回っています。業種別でみると、輸送機械は「増加」が13・6%であるのに対し、「減少」させる企業は38・6%にのぼりました。
この調査は6月20日を期日に、資本金10億円以上の大企業3277社を対象に実施。1532社から回答を得ました。