2012年9月3日(月)
首相の資金管理団体「未来クラブ」 大がかりな訂正
166人分の職業(08年〜10年)個人献金者の14%
政治資金収支報告書
野田佳彦首相の資金管理団体「未来クラブ」が、2008年〜10年に受け取った個人からの政治献金で、職業欄をのべ166人分、政治資金収支報告書を訂正していたことが2日までに分かりました。個人献金をした人の14%に相当する大がかりなもので、「政治活動の公明と公正」をうたった政治資金規正法の趣旨に真っ向から反するものです。
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収支報告書の訂正は、「未来クラブ」の会計責任者が千葉県選挙管理委員会に対し、7月17日、8月23日の2回にわたって届け出をしていました。
これによると、職業欄が訂正されたのは、08年が個人献金をした350人中、44人(12・6%)、09年が415人中、62人(14・9%)、10年が405人中、60人(14・8%)にのぼっています。献金者は重複していますが、3年間で、計1170人中、166人(14・2%)、じつに7人に1人が違っていたことになります。
「会社役員」実は
訂正前の職業でもっとも多かったのは「会社役員」で、地方公務員や医師、税理士、会社員、自営業、無職、農業、舞踊家、NPО法人理事、幼稚園理事長、大学職員、嘱託職員などに訂正されました。
08年に「会社役員」と書かれていた首相の地元、同県船橋市の男性は、09年に「無職」、10年にふたたび「会社役員」となっていましたが、今回、すべて「会社員」と訂正されました。
一方、「無職」とされていた人が、会社役員、団体役員、自営業、ピアノ講師などに訂正されました。
訂正した大半の人の献金額は、1万円、2万円などと少額ですが、09年12月4日に20万円、10年12月28日に50万円と多額の献金をしていた船橋市の弁護士は、09年には「無職」、10年には「会社役員」として報告されていました。
きちんと説明を
報道機関の問い合わせに野田事務所は「事務的ミス」などと回答しています。
しかし、これほど、大がかりな訂正は収支報告書の信頼性を著しく損なうものです。政治資金の収支の公開や授受の規正を通じて、「政治活動の公明と公正を確保し、もって民主政治の健全な発達に寄与すること」を目的とする政治資金規正法の趣旨にも反します。
野田首相の側には、きちんとした説明が求められています。
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