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2012年9月6日(木)

BSE対策 米産牛の輸入緩和了承

食安委調査会 月齢30カ月以下に

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 内閣府の食品安全委員会プリオン専門調査会(座長・酒井健夫日大教授)は5日、米国産牛肉の輸入対象について「人への健康影響は無視できる」として現行の月齢20カ月以下から30カ月以下へ緩和を認める答申案を了承しました。食の安全を脅かす決定に怒りの声が広がっています。 (関連記事)


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(写真)輸入条件緩和を答申した食品安全委員会プリオン専門調査会=5日、都内

 答申案は、国内産も、全頭検査を必要としない対象を現行の20カ月以下から30カ月以下に拡大しても、人の健康に問題はないとしました。

 またBSE病原体が蓄積する頭部、脊髄など「特定危険部位の除去」についても、国内産や米国産とも現行の全月齢から30カ月超への緩和を認めました。

 近く調査会として正式決定した上で、食品安全委に報告し、30日間のパブリックコメント(意見公募)などを経て厚生労働省に答申します。

 政府は米国でBSEが発生したのを受け、2003年12月に同国産牛肉の輸入を禁止しました。05年12月に条件付きで月齢20カ月以下の輸入を再開。さらに厚労省は昨年12月、30カ月以下に緩和した場合のリスクを評価するよう食品安全委に諮問していました。

TPPへの地ならし

紙 智子参院議員 党農林・漁民局長

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 日本が輸入する米国産牛肉の月齢を緩和し、輸入を拡大せよ、というのは日本のTPP(環太平洋連携協定)参加の“入場料”としてアメリカから執拗(しつよう)に求められてきたことです。

 調査会の結論は、国内産も米国産も30カ月以下に緩和ですが、日本とアメリカではあまりにも検査体制などが違います。アメリカには日本のように1頭ごとのトレーサビリティー(履歴)はなく、検査も、と畜頭数の0・16%程度。飼料規制も始まったばかりです。同等に論じることは無理があります。

 そもそも緩和の要望は国内からはありません。最初に結論ありきで、アメリカの圧力に屈したことは明らかです。食の安全・安心を確保する点でも許されません。


 BSE(牛海綿状脳症) 異常プリオンと呼ばれる病原体が蓄積して牛の脳がスポンジ状になり、運動失調などを起こして死亡する病気。BSE感染牛を原料にした肉骨粉を飼料に使ったことが拡大の原因と言われています。ヒトの変異型クロイツフェルト・ヤコブ病患者との関連が示唆されています。


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