2012年9月21日(金)
広島の声聞け
米の新型核実験に抗議
原爆碑前座り込み
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アメリカが今年4〜6月に核兵器の性能を調べるための新たなタイプの核実験を実施したことに抗議して20日、広島県原水協と県被団協(金子一士理事長)は広島市中区の原爆碑前で座り込みをしました。実験は昨年11月に続いて5回目。被爆者ら45人が参加しました。
県原水協の高橋信雄代表理事は「オバマ大統領が核兵器のない世界を実現する道義的責任があると演説したのだから、性能を調べる核実験をする必要はないはずだ」と批判。県被団協の吉岡幸雄副理事長は「核兵器を1発たりとも残してはならないというのが、われわれ被爆者の悲願だ」と訴えました。
参加者はオバマ大統領宛てに「核兵器全面禁止への国際的な努力に背を向け、核兵器の保有とさらなる開発に突き進むことは、到底許されるものではない」と抗議する文書を拍手で採択しました。
県被団協(坪井直理事長)が加わる核兵器廃絶広島平和連絡会議も同碑前で並行して座り込みをしました。
各団体が米に抗議文
アメリカがことし4〜6月に未臨界核実験をおこなったことを明らかにしたことに対して、各団体がオバマ米大統領に抗議文を送っています。
原水爆禁止日本協議会(日本原水協)は19日の抗議文で、実験は「核兵器のない世界の平和と安全を達成する」という2010年核不拡散条約(NPT)再検討会議の合意に反すると批判。核兵器全面禁止条約の実現のために努力を始めるよう要求しています。
非核の政府を求める会の常任世話人会は19日の抗議文で、実験は「核兵器のない世界を追求する」とのオバマ氏の言明を台無しにし、2010年NPT再検討会議の合意に対する背信行為だと指摘。すべての核実験を中止し、核兵器禁止条約の交渉開始を決断するよう求めています。
新日本婦人の会は20日の抗議文で、アメリカが広島、長崎に投下した原爆が今も被爆者を苦しめつづけているとのべ、人類と核兵器は絶対に共存できないと強調。「核兵器のない世界」は被爆者、被爆国の女性たちの悲願であり、世界諸国民の願いだとしています。