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2012年9月23日(日)

イスラム冒瀆映画抗議行動

パキスタンで23人死亡

暴力沈静化も新たな火種

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 イスラム教の礼拝日である金曜日の21日、預言者ムハンマドを冒瀆(ぼうとく)した米映画への抗議行動が各国で続きました。パキスタンでは群衆と警官隊との衝突で23人が死亡。フランスでは週刊紙がムハンマドの風刺画を掲載するなど新たな火種が生まれています。

抗議の休日

 パキスタン政府は、21日を抗議のための休日に指定し、国民に「平和的なデモ」に徹するよう求めていました。

 現地からの報道によると、同日午前は比較的平穏だったものの、その後、北部ペシャワルで宗教政党の支持者らが映画館や商店に放火。首都イスラマバードや南部カラチなどの大都市で暴力行為が続発し、警官隊が群集に発砲。警官を含む23人が死亡し、200人以上が負傷したといいます。

 大手英字紙ドーン22日付は「『平和的抗議の日』が国内の過激主義者に乗っ取られ、殺人、放火、強奪の日に塗り替えられた」と批判的に伝えました。

 世界で抗議行動が続く中、仏週刊紙シャルリ・エブド19日付は、イスラム教で肖像を描くことすらタブーとされているムハンマドの裸姿などを描いた風刺画を掲載。暴動を懸念した仏政府や警察当局が、予定されていた米映画への抗議デモ申請を却下し、イスラム圏約20カ国にある在外公館を閉鎖しました。

 国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)のピレイ高等弁務官は21日、シャルリ・エブド紙について「(ムハンマドを冒瀆した)映画への反発で何が起きたかを知りながら風刺画を掲載したことは、二重に無責任な行為だ」と非難しました。

減少傾向に

 暴力を伴う抗議行動は全体的に減る傾向にあります。ロイター通信によると、21日にはエジプト、イエメン、イラク、サウジアラビア、ドイツなどでは米国旗を燃やすなど一部で暴力的な行為がみられたものの、死傷者を伴う衝突は報告されていません。(ニューデリー=安川崇、外信部=島崎桂)


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