「しんぶん赤旗」
日本共産党
メール

申し込み記者募集・見学会主張とコラム電話相談キーワードPRグッズ
日本共産党しんぶん赤旗前頁に戻る

2012年9月24日(月)

“原発は抑止力”“捨てるべきでない”

森本防衛相(就任前)が発言

北海道の原発推進団体の講演会

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 mixiチェック

 森本敏防衛相が今年1月、北海道の原発推進団体の講演会で、日本の原発について、「単にエネルギーの問題だけではない」「高い能力を持っていることが、周りの国から見て非常に大事な抑止的機能を果たしている」と発言していたことが波紋をよんでいます。閣僚就任前とはいえ、「原子力の平和利用」という日本の原子力開発の原則に反し、将来の核武装にもつながる考えで、閣僚としての適格性が問われます。


座談会に臨む

写真

(写真)「北海道エナジートーク21」のホームページに掲載された森本氏の講演録の一部

 講演会は、1月25日、札幌市内のホテルで、北海道電力が実質的につくったといわれる団体「北海道エナジートーク21」が開催した「新春フォーラム『日本のエネルギーを考える』」。拓殖大学大学院教授だった森本氏は、講演した後、原発推進団体の一つ、「日本エネルギー経済研究所」の顧問らとの座談会に臨んでいます。

 主催者がまとめた講演録によると、森本氏は、「(東京電力)福島第一原発事故の影響が日本国民の原子力に対する概念を質的に変えたことは、認めざるをえない」としつつ、「国の基本として原子力を持つということは、単にエネルギーの問題だけではない」として、「非常に大事な抑止的機能を果たしている」ことを強調、「(原子力を)決して捨てるべきでない」と述べています。

動きに符合…

 原発の使用済み核燃料を再処理することで、核兵器の材料となりうるプルトニウムが取り出され、日本の核武装を懸念する見方もあります。

 森本氏の発言は、このことを念頭においたものと考えられ、「平和目的」に限るとした日本の原子力開発の原則を揺るがしかねないものです。

 民主、自民、公明の3党はことし6月、原子力規制委員会設置法の付則で、「原子力基本法」が定める「原子力利用」の「安全確保」について、「わが国の安全保障に資する」ことを「目的」に追加しましたが、森本氏の発言はこうした動きに符合するものです。

会社側の立場

 このほか、森本氏は、原発事故後の対応について、「本来原発を動かすかどうかは電力会社の仕事ですが、知事がNОと言ったらダメと、法律に書かれていないようなことがまかり通っている」と表明。「『原発がどんどん減っているのに電気はいつも点(つ)いているじゃん』という単純な考えが広がる」とのべるなど、徹頭徹尾、電力会社側の立場に立っています。

 未曽有の被害をもたらし、いまだに収束の展望すらつかない原発事故を起こした後にもかかわらず、原発の維持だけでなく、「抑止的機能」を強調する発言は、大きな波紋を呼ぶことになるのは必至です。


 北海道エナジートーク21 2001年4月に、歴代の北海道電力会長が要職を占める北海道経済連合会など北海道の財界や北海道友愛連絡会が中心になって設立。「エネルギーの安定確保に欠かすことのできない原子力について一層の理解促進を得るための諸活動を展開」してきました。女性向け、教師向けの関連団体を持ち、道内の原子力関連施設の見学会などを実施しています。ことし5月の総会では、「安全で安心な原子力発電所の稼働について、普及啓発事業を実施」していくとの方針を決めています。


見本紙 購読 ページの上にもどる
日本共産党 (c)日本共産党中央委員会 ご利用にあたって