2012年10月3日(水)
諫早開門 行程示せ
農水省に漁民原告ら
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国営諫早湾干拓事業(長崎県諫早市)で設置された潮受け堤防排水門の2013年12月までの開門を国に命じた福岡高裁確定判決(10年12月)の履行を求める漁民原告と国の交渉が2日、福岡市内でありました。「よみがえれ!有明」訴訟の原告、弁護団、支援者が参加。農林水産省からは瀧戸淑章・農村振興局農地資源課長らが出席しました。
馬奈木昭雄弁護団長は、来年度予算案の確定が12月に迫るなか、代替水源の確保、常時排水ポンプの整備など開門実施に向けた行程表を一刻も早く示すよう求めました。
瀧戸課長は、海水淡水化による代替水源確保を検討していると回答。「開門準備の事業を本予算に盛り込めるよう全力を尽くす」とし、開門の効果を測定する調査を準備しているとしましたが、いつ着手するかは明らかにしませんでした。
熊本保健科学大学の高橋徹教授(海洋生態学)は、調整池で大量発生したアオコの生み出す毒素「ミクロシスチン」が熊本県沖合の海底からも検出されたと指摘し、「国の責任で一刻も早く調査を」と要求。馬奈木氏は「調整池からの大量排水によって起きている被害実態を明らかにすべきだ」と述べました。
原告の平方宣清さん(佐賀県太良町)は「20年以上耐えてきた。一日も早く海を返して」と訴えました。