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2012年10月6日(土)

復興予算で空自操縦訓練

全国の駐屯地で施設の増改修まで

これが被災者に役立つのか

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 東日本大震災の被災地復興対策として計上された復興特別会計予算で、防衛省が、復興とは無縁な戦闘機の操縦士訓練教育や、被災地とは関係のない自衛隊駐屯地の浴場の建て替えなどに支出していたことが、本紙の調べでわかりました。復興財源は所得税と住民税の増税で確保するだけに、厳しいチェックが求められています。(関連記事)


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(写真)被災地の復興とは関係のない復興予算が使われ方をしていた防衛省=東京都新宿区

 防衛省の復興特別会計予算は、2012年度が1136億1000万円、13年度概算要求は1606億5900万円にのぼっています。

 防衛省の説明資料によると、宮城県東松島市の航空自衛隊松島基地で航空機が津波で水没したことにともなう「操縦士の代替養成」という事業が復興予算のなかにあります。

 12年度予算には、F15、F2戦闘機のパイロットをアメリカに派遣して委託教育、養成する経費として約14億4000万円が計上されています。

 なぜ復興予算を使って操縦訓練なのか―。防衛省はパイロットの教育、養成を行う松島基地が水没してできなくなったからだ、などと説明しています。

 13年度概算要求でも、このアメリカでの委託教育費用を約6億2000万円も計上したうえ、あらたに「F15フライト・シミュレーターの取得(教育用)」として約12億8000万円を要求しています。

 被災地から遠く離れた場所にある駐屯地の浴場や医務室、食堂、浄化槽、屋外燃料置き場など、いろんな施設も復興予算で建て替えたり、改修したりしています。

 たとえば、「浴場建て替え」。12年度予算では、静内(北海道新ひだか町)、松本(長野県松本市)、健軍(熊本市)の各駐屯地で6273万〜2億4760万円を計上。佐賀県吉野ケ里町の目達原駐屯地では、3900万円かけて浴場の増改修をしています。

 駐屯地の浴場の建て替えについて、防衛省は、「大規模災害時に拠点として活動するので、これに支障がでないように」などと説明しますが―。

 こうした被災地や復興とは関係のない使われ方ができる“根拠”は、昨年7月、政府の東日本大震災復興対策本部が決定した「復興の基本方針」です。ここには、「東日本大震災を教訓として、全国的に緊急に実施する必要性が高く、即効性のある防災、減災等のための施策」と明記され、「全国防災」の名目で、防衛省に限らず、どの省庁も予算が計上できるからです。被災者を直接支援する予算こそ必要です。


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