2012年10月10日(水)
あんぽ柿 今年も自粛
福島6市町 基準超すセシウム
損害賠償求め東電と交渉へ
福島県の特産品の一つあんぽ柿から新基準値(1キロ当たり100ベクレル)を超える放射性セシウムが検出(表)され、今年も加工自粛となりました。このほど福島県が生産者の団体に自粛を要請しました。
2年連続出荷できなくなったことは農家に大打撃になります。
自粛するのは福島市、二本松市、伊達市、桑折町、国見町、川俣町の6市町。県が、あんぽ柿と干し柿各56点を調べたところ、あんぽ柿20点、干し柿31点から新基準値を超える放射性セシウムが検出されました。加工後の最大値はあんぽ柿410ベクレル、干し柿420ベクレルでした。
福島県は「原料の柿をあんぽ柿などに乾燥加工することで原料柿の中の放射性物質が濃縮されることから基準値を超えるものとなったと判断した」と発表しました。
福島県産のあんぽ柿は、東京電力福島第1原発事故前までは全国1、2位の販売高を誇っていました。硬めの「枯露柿」(ころがき)と区別して水分を50%程度含んだやわらかめの干柿。表面はしっとり、中の果肉はトロリとしたゼリー状の日本古来の和製ドライフルーツ。贈答品としてデパートなどで販売されてきました。
福島県北農民連は、東京電力に損害賠償を求めて10月中に交渉する予定です。
福島県産あんぽ柿 250年前、福島県旧五十沢(いさわ)村に柿が植えられたことが始まりとされています。皮をむいた渋柿を天日に干すことから「天干柿」(あまぼし柿)と呼ばれ、転じて江戸時代から「あんぽ柿」と呼ばれるようになりました。
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