2012年10月12日(金)
核兵器禁止で包括交渉を
国連総会第1委 「行き詰まり」打開へ ブラジル提案
【ニューヨーク=山崎伸治】第67回国連総会の第1委員会(軍縮・国際安全保障)は10日、各国代表による一般討論演説を続けました。ブラジルは、軍縮問題を話し合う国際的な常設機関「ジュネーブ軍縮会議」(CD)の議論が個別の問題で行き詰まっている現状を踏まえ、個別の問題は「より大きな法的枠組み」である核兵器禁止条約に取り込み、同条約の交渉を開始すべきだと提案しました。
CDは、核弾頭に使うプルトニウムや高濃縮ウランなどの全面的生産禁止を目指す「兵器用核分裂性物質生産禁止(カットオフ)条約」の交渉開始に一部の国が難色を示し、議論が進展していません。
ブラジル代表は演説で、核兵器のない世界の実現に必要なのは「それを達成する明確な基準と期日」をともなった「政治的な見通し」だと指摘。「核軍縮は好意で行うのではなく、従うべき法的な約束だ」と述べました。
カットオフ条約については交渉開始を支持するものの、現存する核分裂物質を見ずに、将来の生産だけを重視することに疑問を表明。「カットオフ条約の交渉は、より大きな法的枠組みの一部であるべきだ」として、核兵器禁止条約で包括的に扱うよう提案しました。
さらにCDが行き詰まっているのは、機構や手続きの問題ではなく、「政治的な問題だ」と指摘し、CDだけでなく軍縮に関する国連の機構全体を見直すべきだと提案。4回目の国連軍縮特別総会を開催することを支持すると述べました。