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2012年10月21日(日)

衆院鹿児島3区補選

志位委員長の訴え

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(写真)訴える志位和夫委員長=20日、鹿児島県薩摩川内市

 全国が注目する衆院鹿児島3区補欠選挙の応援で20日に鹿児島県入りした日本共産党の志位和夫委員長。初めて訪れた薩摩川内市と日置市で、歓迎の拍手に迎えられ、聴衆一人ひとりと握手を交わしました。汗ばむ日差しのなか、党の日本改革のビジョンを語り、日本の政治の明るい未来を示しました。

 今回の補選で、民主党は「与党の議席を守ろう」、自民党は「政権奪還」を訴えるだけで、言っている中身の違いはいっさい示せていません。演説冒頭、志位氏は次のように呼びかけました。「日本が解決を求められている問題に、民主も自民も解決策が示せないのは、『アメリカいいなり・財界中心』という『二つの害悪』を特徴とする古い政治が、すっかり行き詰まったからです。本当の改革のビジョンを示し、行動する日本共産党の勝利で、日本の政治に明るい展望を開こう」

「財界中心」の政治断ち切ろう―「原発ゼロ」「増税阻止」は可能

 まず訴えたのは、「財界中心の政治」を断ち切るとどういう展望が開けるかです。志位氏は原発と消費税という二つの問題から解き明かしました。

 衆院鹿児島3区は九州電力川内(せんだい)原発を抱え、原発をどうするかは補選の最大争点です。なのに、民主推薦候補も自民公認候補もダンマリ。「原発ゼロ」を堂々と主張しているのは日本共産党の候補だけです。

 志位氏は、「即時原発ゼロ」の実現を図る党の「提言」を示し、川内原発を再稼働させず、廃炉のプロセスに入るよう求めました。

 では、「即時原発ゼロ」は可能か―。

 「電力不足」という脅しについて志位氏は、今夏、九州電力が最も電気を使った日でも原発2基分も余った事実を示し、「国民を脅すウソだったことはもうはっきりしたのではないですか」と指摘すると「そうだ!」の共感の声と拍手が起こりました。

 「仕事がなくなる」の脅しも、原発をめぐる立地補助金を廃炉費用や再生可能エネルギーの大規模普及に振り向けるなど、国の責任で立地自治体への支援を行うことを提起すると、「その通り」の声援が寄せられました。

 そのうえで「どうして、民主も自民も原発にしがみ続けるのでしょうか」と問いかけた志位氏。民主党は電力労組から1億2千万円も受け取り、自民党も個人献金の72%が電力会社の役員・OBが占めるなど、「原発マネー」に汚染されている実態を告発しました。「原発マネーに無縁の日本共産党でこそ『原発なくせ』の先頭に立てます。『さよなら原発』の声をこぞって共産党へお寄せください」と訴えると、大きな拍手がわきおこりました。

 消費税ではどうか。民主推薦、自民公認の両候補はこの問題でもそろってダンマリ。民自公「3党合意」で消費税大増税法を強行した張本人だからです。

 志位氏が対案として示したのは、消費税に頼らずに社会保障を充実し、財政危機を打開する党の「経済提言」です。「“消費税に頼らない別の道がある”という責任ある対案を示しています。共産党の勝利で増税実施を阻止し、国民の暮らしと営業を守り抜こう」と力いっぱい呼びかけると、拍手にわきかえりました。

 このなかで志位氏は、富士通の子会社(薩摩川内市)、パナソニックの子会社(日置市)の工場閉鎖計画にふれ、次のように訴えました。「誘致の時には自治体に至れりつくせりの便宜を図ってもらい、さんざんもうけたあげく、都合が悪くなると一方的に撤退し、地域社会にも、雇用にも責任を負わないのは許されません。電機産業だけでも27兆円の内部留保があります。これをいかせば雇用は守れます。閉鎖計画を撤回させて雇用を守り抜こう」

「米国いいなり」を断ち切ろう―「亡国の企てTPP阻止」「米軍基地全面撤去」

 つづいて、「アメリカいいなり政治」を断ち切ると、どんな展望が開けるか、環太平洋連携協定(TPP)と米軍基地の二つの重大問題から明らかにしました。

 鹿児島県は農業産出額全国4位、4011億円の「農業大県」です。TPP参加で農業と鹿児島経済は壊滅的打撃を受け、医療も雇用も壊されます。志位氏は「日本を丸ごとアメリカに売り渡すのがTPPです。日本共産党は断固反対する決意です」と表明しました。

 補選で、民主推薦(国民新党公認)候補はTPP「反対」を唱えていますが、志位氏が「本気で『反対』なら、なぜ野田政権の与党にとどまっているのでしょうか」と矛盾を突くと、「そうだ!」の大声。

 自民公認候補も「断固阻止」を主張しますが、志位氏は「自民党の候補は『反対』というが、党の正式方針は“条件付きの反対”。裏を返せば、“条件付きの賛成”です」と欺まんを暴いたうえで、輸入自由化を進め、食料自給率を下げたのが自民党政権だと厳しく批判しました。JA北海道厚生連会長が「一貫して農業を守るといっているのは共産党ただ一人です」と語ったことにふれ、「JA、医師会多くの人と腕を組んで頑張っている日本共産党を伸ばしてこそ、亡国のたくらみを打ち砕く一番の力になります」と訴えました。

 米軍基地問題をめぐっては「日本は独立国か」との怒りを広げた、欠陥機オスプレイの強行配備、沖縄で起こった米兵による集団女性暴行という二つの事件を取り上げました。志位氏がこの暴挙に抗議する書簡を米オバマ大統領に送り、米軍基地の全面撤去を求めたことを明らかにすると、大きな拍手が起こりました。

 訴えのなかで、衆院鹿児島3区が含まれている薩摩半島でもMC130などの米軍機が低空訓練を行っている実態に言及。「これがオスプレイにかわるなどとんでもない。断固拒否しましょう」と呼びかけました。

 オスプレイ配備についても民主推薦、自民公認両候補ともに語らず、推進の立場。志位氏が「米国の横暴に一言もモノが言えない党には日本の政治を担う資格はありません。米国いいなりの根本にある日米安保条約をもうやめよう」ときっぱり主張すると、「そうだ!」の声が飛びました。

 最後に志位氏が語ったのは領土問題です。

 尖閣諸島をめぐって日中の緊張と対立が深まるなか、領土に関する紛争問題の存在を正面から認め、冷静な外交交渉で日本の領有の正当性を理を尽くして説き、問題を解決すべきだと日中両政府に提起した党の「提言」を語りました。

 「侵略戦争に命がけで反対を貫いた党だからこそ、侵略で奪った領土と正当に領有した領土を区別して扱うことができます」と強調しました。

 「『二つの害悪』を大本から断ち切り、暮らしと平和を守り抜いて90年の日本共産党を勝利させてこそ、日本の未来が開けます。鹿児島3区から日本をビックリさせるような勝利を」と力いっぱい訴えると、「頑張れ!」の大声援と拍手が送られました。


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