2012年10月22日(月)
放射能検査方法確立を
科学者会議 水産物の研究例会
日本科学者会議食糧問題研究委員会は20日、片山知史東北大学教授を講師に、研究例会「水産物の放射能汚染」を東京都内で開きました。
片山さんは、福島第1原発事故で大量の放射性物質が大気中や海に放出され、陸上に落ちた放射性物質が川の水を通じて海へと流れ出たことにより、東京湾の海底土に堆積が続く現状などを紹介。
「福島県沿岸の海藻やイカ、タコ、貝などに含まれる放射性セシウムは少ない一方、アイナメやメバルなど底生魚で、試料によって数値が大きく違うことが問題になっている」と話しました。
また、水揚げの際に海産物に含まれる放射性物質の測定が行われているものの、抜き取り検査にならざるを得ないため、消費者の不安をぬぐえないという問題点を指摘。消費者の不安が海外にも広がっていることも報告。「東北で加工した魚は売れないという理由で海産物の加工を他の地方に移転する動きもあり、東北の産業空洞化につながる可能性もある」と、影響の広がりを懸念しました。
片山さんは「消費者に近いところでの放射能検査を取り入れるなど、国際標準となることを目指して、国が規制基準値や検査方法を確立することが必要だ」と話しました。