2012年11月4日(日)
バナナが主食に!?
国際研究グループが報告
気候変動で三大穀物減少
国際農業研究協議グループ(CGIAR)の気候変動・農業・食料安全保障研究計画(CCAFS)は10月31日、研究報告を発表し、気候変動で世界の三大作物、トウモロコシ、小麦、コメの収穫量は減少することが必至で、日常の食料品目や農民が栽培する作物についても再考する必要性が高まっていると強調しました。
報告によると、三大作物の収穫量は、多くの発展途上国で気温上昇と降雨が不順となってきたことから減少の傾向にあります。気候変動の影響で、途上国では2050年までに小麦は13%、コメは15%減産する見込み。アフリカではトウモロコシ農家は、気温上昇に適応できず、収穫量は10〜20%減少すると予測されます。家畜をトウモロコシなどの穀物で育てるのはますます高価になります。
報告はまた、気温上昇で寒冷地での栽培に適するジャガイモの生産が打撃を受け、途上国ではその代わりにバナナが重要な食料源となると予測。タピオカの原料となるキャッサバやマメ科のササゲも重要な作物になるとして、人々は新たで多様な献立を受け入れざるを得なくなると述べています。
報告は国連食糧農業機関(FAO)の世界食料安全保障委員会の要請に応じて行われたもの。世界で最も重要とされる農作物22品目について気候変化の影響を評価したものです。CGIARは発展途上国の農林水産業(第1次産業)の生産性向上、技術発展を目的に、世界銀行、FAO、国連開発計画(UNDP)などにより1971年に結成された機関で、事務局はワシントンの世銀内に置かれています。