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2012年11月14日(水)

税金逃れは「不道徳」

多国籍企業を非難

英議会が参考人質疑

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 英議会決算委員会は12日、徴税逃れへの批判が高まる多国籍企業の代表に対する参考人質疑を行い、各企業による納税回避を非難するとともに、巨額の利益に見合う応分の負担を求めました。

スタバ・グーグル・アマゾン 幹部ずらり

 質疑を受けたのは、大手コーヒーチェーンのスターバックス(以下スタバ)、インターネット検索大手グーグル、ネット通販大手アマゾンの各代表です。

 3社は英国で多額の利益を得る一方、利益の一部を国外の関連会社に経費として支払うなどして損失を計上し、法人税を削減。スタバとアマゾンは昨年度、英国に法人税を一切納めていません。

 スタバのトロイ・アルステッド最高財務責任者(CFO)はこれまで、投資家に対して英国での商売で「利益をあげている」と説明してきましたが、質疑では一転、同国で利益を出したのは2006年の一度きりだとして、利益の海外移転を否定しました。

 アマゾンのアンドリュー・セシル公共政策部長は、委員による多くの質問に対して回答を拒否。グーグルUKのマット・ブリティン代表は、納税回避のためのタックス・ヘイブン(租税回避地)利用を認めました。

 決算委員会のホッジ委員長(労働党)は「委員会はあなたたち(3社)の違法性を非難しているのではない。不道徳性を非難しているのだ」と指摘。エルフィック委員(保守党)は「国際的な徴税逃れが産業ぐるみで行われていることが、今日いっそう明らかになった」と述べました。

 多国籍企業の徴税逃れ防止に向けた取り組みも始まっています。英国とドイツの両財務相は先週、多国籍企業に「応分の負担」を求めるため、20カ国・地域(G20)の協力を促す共同声明を発表しました。

 有名企業の徴税逃れに、国民からも非難の声があがっています。英政府の緊縮財政に反対する市民団体「UKアンカット」は11日発表の声明で、12月8日実施予定のスタバに対する抗議活動への参加を呼び掛けました。(島崎桂)


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