2012年11月23日(金)
自民政権末期の機密費2.5億円
領収書など一部開示命令
大阪地裁
2009年の政権交代で自民党・麻生内閣が退陣する直前、河村建夫官房長官(当時)に渡った内閣官房機密費2億5千万円を短期間で使い切った問題について、市民団体「政治資金オンブズマン」のメンバーが、使途を記録した文書を不開示とした国の処分取り消しを求めた裁判が22日、大阪地裁(田中健治裁判長)で行われました。判決では、一部の帳簿や領収書など従来より範囲を広げて開示を命じました。
機密費の持ち逃げが疑われる不可解な支出は、09年9月に起きました。(図参照)
通常、内閣官房長官が国庫に請求する機密費は、月平均1億円(約5千万円ずつ2回)の支出が平均的とされています。ところが同月には、1回に2億5千万円も請求し、全額を10日あまりで使い切る突出ぶり。
判決は、非開示とした国の処分を取り消し、「政策推進費受払簿」と「報償費支払明細書」の公開と、「出納管理簿」の一部公開を命じました。
また「支払決定書」と「領収書」では、交通費のうち公共交通機関に支出した分について「支障が生じる具体的なおそれがあるとは認めがたい」として一部公開を命じました。
機密費をめぐっては、自民党・安倍晋三総裁が官房長官時代の文書の一部開示を命じた判決が、大阪地裁で3月に出ています。
判決後の記者会見で原告側代理人の阪口徳雄弁護士は、「支障がないものは出しなさいとした点で(3月の判決より)一歩前進した」と評価。自民党による官房機密費山分けの疑惑については「判断をさけたことは残念」とのべました。
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