2012年12月3日(月)
原発マネー 民・自に6億
11年政治資金 献金、福島事故後も
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東京電力福島第1原発事故が起きた2011年、日本原子力産業協会(原産協)に加入する企業や労働組合からの総額約6億円もの企業・団体献金が自民党と民主党に流れていたことが1日、本紙の調べでわかりました。事故が発生した昨年3月11日以降に献金したケースが多数あり、事故後も変わらない“原発利益共同体”の政界への影響力をうかがわせます。
総務省と各都道府県の選挙管理委員会が公表した11年分の政治資金収支報告書によると、自民党には、57社から総額3億3142万円の企業献金がありました。同党の政治資金団体「国民政治協会」へのもので53社計3億2916万円。この他、自民党議員の10支部に8社計226万円の献金がありました。
原子炉メーカーの三菱重工、東芝、日立や大手ゼネコン各社は前年と変わらない多額の献金をしています。しかも、多くが福島第1原発事故後の時期です。
福島第1原発の原子炉建屋のカバー設置工事や除染事業など原発事故関連の事業を請け負う鹿島などの大手ゼネコンからの献金は、多くが事故後まもない4月から5月に行われていました。原発再稼働への口実として導入されたストレステストを受注した三菱重工や東芝は、同テストが始まった昨夏以降の献金でした。
民主党の国会議員や地方議員には、電力総連傘下の組織を経由して、総額2億4950万円余がわたっていました。電力会社の労働組合などでつくる電力総連も原産協の会員団体です。電力総連は原発について「電力の安定供給のためには必要な電源である」として、再稼働を求める立場です。
浜岡原発(静岡県御前崎市)を抱える「中部電力労働組合政治連盟」は民主党国会議員7人のパーティー券126万円分を購入していました。岡田克也副総理26万円、大塚耕平元厚労副大臣と伴野豊国交副大臣各24万円分など。いずれも事故後の9月と10月に購入しています。また「中国電力労組政治連盟岡山統括本部」は民主党の江田五月最高顧問と柚木道義財務大臣政務官のパーティー券10万円分をそれぞれ購入していました。