2012年12月8日(土)
米国が未臨界核実験
昨年2月以来、通算27回目
【ワシントン=小林俊哉】米エネルギー省の国家核安全保障局(NNSA)は6日、核爆発を伴わない未臨界核実験を実施したと発表しました。米国が未臨界核実験を行うのは、昨年2月以来で、通算27回目となります。
同実験は、5日に西部ネバダ州の核実験場で行われました。高性能の爆薬による爆発の衝撃をプルトニウムに加え、反応を検査するもので、核兵器の「安全性と性能」の維持に必要なデータを集めるのが目的だとされます。
オバマ大統領は「核兵器のない世界」を目標に掲げる一方、現存核兵器の保全や“老朽化”が指摘される研究実験施設の充実のために関連予算を大幅に増やしてきました。ロシアとの新しい戦略兵器削減条約の批准の際には、上院の支持を得るために、核予算の増額を取引材料の一つにしたことは、よく知られています。
NNSAのダガスティーノ局長は「今回のような実験はオバマ大統領の核安保政策の遂行を助けるものだ」と述べました。
オバマ政権は、未臨界実験のほか、エックス線を使用した「新型実験」も行っています。