2012年12月12日(水)
入れて安心! 日本共産党
日本テレビ系「NEWS ZERO」志位委員長が語る
日本共産党の志位和夫委員長は10日、日本テレビ系番組「NEWS ZERO」に出演しました。「多くの新党が立ち上がる中、今年結党90周年を迎えた日本共産党」と紹介された志位氏は「入れて安心、日本共産党」と述べて、次のようにインタビューに答えました。
働く人の給与が下がり、内需が下がる――この悪循環を断つ
―景気対策をどうするのか。雇用をどう確保するのかという関心が高いのですが、共産党の景気・雇用対策、これはなんでしょうか。
志位 今のデフレ不況の一番の原因というのは、働く人の賃金がどんどん下がっている、若干景気のいいときも下がりつづける、景気が悪くなるともっと下がる、こういうところに一番の原因がある。この悪循環をどこで断ち切るかといったら、働く人の賃金を上げる、雇用をよくする、そして内需拡大することです。そういう政策をすることが一番のカギだと思います。
経済主権、食料主権を奪うTPPに反対
―内需を復活するということですが、一方で日本の人口はどんどん減少しています。そのときにどうしても輸出、海外市場へということになると思いますが、TPP(環太平洋連携協定)の問題は。
志位 反対です。輸出といいますが、例えば自動車にしても電機にしても、輸出については関税、ほとんどありません。今、TPPに入ると、「例外なき関税ゼロ」が大原則ですから、外国から安い農産物がどっと入ってきまして、農業が壊滅します。それだけではなくて、「非関税障壁を撤廃する」というのが大原則ですから、(国民)皆保険制度が壊される。食の安全が危険にさらされる。これは農業だけじゃなくて、いわば日本の経済主権、食料主権が奪われてしまうことになりますから、私たちは反対です。
原発ほど高いコストはない――廃炉などの費用は再処理積立金と原発関連企業の負担で
―共産党は「即時原発ゼロ」ですが、生産者側、企業側にとってみると電気料金の引き上げにつながって、国際競争力の低下を懸念する人もありますが。
志位 コストの問題についていいますけど、いろんな試算があるけれども、政府はよく(電気料金が)2倍になるといいます。しかし、同じ試算で、原発20〜25%であっても1・8倍という試算です。ですから、2倍というのを恣意(しい)的に使うのは根拠がない。
コストというのなら、私は原発ほど高コストのものはないと思います。今度の事故を通じて、あの事故の処理の費用にどれだけかかるか。これはもう計り知れないお金がかかる。
しかも、それに加えて、「核のゴミ」がどんどんとたまっています。処理の方法もないのです。このバックエンドの費用、膨大な費用がかかる。
ですから私たちは、「即時原発ゼロ」が一番、現実的で責任ある態度だと思っています。
―そうなると電力会社に多大な損失がでてくると思うのですが、この損失の補填(ほてん)はどう考えるのでしょうか。
志位 電力業界全体として、使用済み核燃料再処理などのために積み立てているお金が、すでに5兆円積み立てられています。19兆円積み立てようとしていますが、この19兆円のお金をそっくり国が管理する基金に移して、原発でもうけてきた企業に応分の負担を基金に求めていくというやり方で、ご家庭の負担を極力減らす方向にしていくことが大事だと思っています。
尖閣問題――紛争問題の存在認め、冷静な外交的解決を
―今、尖閣をめぐって日中関係、緊張感高まっていますが、中国にはどう向き合いますか。
志位 共産党は尖閣諸島の日本の領有は歴史的にも、国際法上も正当だとつっこんだ見解をだしています。
領土に関する紛争問題は存在すると、それを正面から認めて、冷静な外交交渉のなかで、この問題について日本の領有の正当性を堂々と説いて、問題を解決するというのが私たちの提案です。
憲法9条は世界の宝、守り抜く
―自民党は憲法改正し、軍隊にするといっています。共産党のスタンスは。
志位 これは絶対に私たちは反対です。憲法9条を変えて集団的自衛権行使ということになりますと、イラク戦争みたいな戦争をやる場合に、日本の自衛隊も最前線にいってドンドンパチパチやることになる。そうしますとイラクの国民を殺すことになる、あるいは自衛隊員も戦死者が出ることになる。そういう形に日本の国の形をかえていいのか。私はやはり憲法9条は日本の宝としてこれからも守り抜くために頑張りたいと思います。