2012年12月13日(木)
北朝鮮、「ロケット」発射
安保理決議違反 各国から批判相次ぐ
政府は12日、「北朝鮮が午前9時49分ごろ、『人工衛星』と称するミサイル(ロケット)を発射した」と発表しました。政府は、「弾道ミサイル技術を利用した発射」の中止を求めた2009年6月の国連安保理決議1874号などに違反するとして、北京の日本大使館を通じて北朝鮮に厳重に抗議。各国からも抗議が相次ぎました。
「ロケット」は西部の東倉里(トンチャンリ)の発射場から発射され、黄海上空から10時1分に沖縄県上空を通過。10時5分にフィリピンの東約300キロの太平洋上に落下しました。
防衛省によると、「ロケット」は発射後に分離し、(1)9時58分に朝鮮半島西の黄海(2)同59分に同南西約300キロの東シナ海(3)10時5分にフィリピンの東約300キロの太平洋に落下。いずれも北朝鮮が通告した予告落下地域と推定されます。
沖縄県に被害が出たとの情報はなく、日本領土内への落下は確認されていません。防衛省は自衛隊による破壊措置を終了し、周辺海域の警戒監視・被害状況の確認に移行しました。
北朝鮮の朝鮮中央通信は「人工衛星」の軌道投入に成功したと発表。ロケット「銀河3」による衛星「光明星3」2号機の発射に成功したとしました。また、米軍の北米航空宇宙防衛司令部(NORAD)も「北朝鮮は何らかの物体を展開し、軌道に達した」との声明を出しています。北朝鮮による「ロケット」発射は今年4月以来。前回は打ち上げに失敗していました。
日本政府は安保理会合の開催を要請。会合は12日にも招集される見通しです。日米韓は北朝鮮への制裁強化を目指す方針で、北朝鮮は強く反発するとみられています。