2012年12月14日(金)

「歴史の真相変えられない」

南京大虐殺７５年で式典

（写真）南京大虐殺75年記念式典で、平和への祈りをこめて歌う日中の合唱団＝13日、南京市（小林拓也撮影）

　【南京＝小林拓也】旧日本軍が起こした南京大虐殺から７５年となった１３日、南京市内の南京大虐殺遭難同胞記念館の広場で記念式典が行われました。南京市民ら約９０００人が参加しました。同日の南京市内は午前１０時すぎから一斉にサイレンが鳴り、多くの市民が黙とうしました。

　式典には約１００人の虐殺事件の生存者も参加。南京市民代表が「南京平和宣言」を読み上げ、「時間が流れても痛みは癒えない。歴史が移り変わっても事件の真相は変えられない。歴史をかがみとし、平和な世界をつくるためにがんばりましょう」と呼びかけました。

　南京市共産党委員会の楊衛沢書記は「南京で行われた大虐殺は、日本人はじめ世界各国の人民が忘れてはいけない歴史だ」と述べました。

　日本から訪問した紫金草合唱団と地元の合唱団が一緒に合唱し、会場は平和への祈りに包まれました。

　今年２月、南京市と姉妹友好都市提携を結んでいる名古屋市の河村たかし市長が南京大虐殺を否定する発言をし、両市の交流が中断しました。

　南京大虐殺記念館の朱成山館長は１３日、記者団に対し、「（河村）市長は両市の市民感情を尊重しなければならない。（発言は）極端な民族主義に走り、歴史に責任を負わない、全く間違ったものだ」と強く批判しました。