2012年12月20日(木)
指名停止中に巨額受注
防衛省から1301億円
水増し請求で処分 三菱電機
三菱電機は、中距離地対空誘導ミサイルや情報収集衛星など航空宇宙・軍事産業をめぐる経費の水増し請求で防衛省から指名停止処分を受けています。ところが指名停止中にもかかわらず、同省から8月末までの7カ月間に170件、1301億7800万円もの受注をしていたことがわかりました。
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政府答弁書で判明
日本共産党の吉井英勝衆院議員(当時)の質問主意書への政府答弁書(11月6日、閣議決定)で判明したもの。
参議院の要請で三菱電機などによる水増し請求の経緯、方法、内容などを検査した会計検査院は、10月25日に中間的な報告書を公表。このなかで、指名停止中も三菱電機が巨額受注していたことを明らかにし、「指名停止等の措置がペナルティーとして十分機能していない」と指摘していました。
会計検査院の報告書を受け、吉井氏は政府への質問主意書で、「全容が解明され、過大請求した金額がすべて国庫に返還されるまでは、例外を設けずに、契約をやめるべきではないか」と追及。しかし、政府は「やむを得ない事由がある」と認められる場合に限っているから、指名停止の措置は「実効性がある」と開き直っています。
この問題について防衛省は、「自衛隊の任務遂行に重大な支障が生じる」と指名停止中の契約を合理化しています。吉井氏は質問主意書で「重大な支障」とは何かや、復興特別会計からの支出はないのかを質問。政府は「お尋ねの点を含む契約の詳細は、防衛省のホームページで公表している」とするだけで、回答を避けています。
防衛省から三菱電機への天下りが2000年7月〜12年2月までに144人にのぼります。「こうした癒着も観点に、防衛省退職者の三菱電機への再就職者、三菱電機社員の防衛省在籍者の水増し請求への関与も調査すべきだ」との吉井氏の指摘には、「関与は確認されていない」としています。