2013年1月28日(月)
掃海艦の世界遺産サンゴ礁損傷
比「米軍に罰金科す」
大統領が言明
【ハノイ=面川誠】フィリピンのアキノ大統領は26日、世界経済フォーラム出席のため訪問中のスイスのダボスで、米掃海艦ガーディアンが世界遺産のサンゴ礁を損傷したことについて、「彼ら(米軍)は法を犯した。罰金を科す」と言明しました。
ガーディアンは17日、フィリピン南西のトゥバタハ岩礁自然公園のサンゴ礁に座礁。フィリピン政府の発表によると、直前に公園管理事務所が無線でサンゴ礁に侵入しないよう警告したにもかかわらず、掃海艦がこれを無視して侵入、座礁しました。船体の損傷がひどく、自力での航行は不可能で、27日現在もサンゴ礁にとどまっています。
アキノ氏は米大使館と米海軍が謝罪したことに対して、「わが国の主権を尊重したことには謝意を表したい」と述べる一方、「だからといって米軍がわが国の法律を順守する義務を免れるものではない」と強調しました。
フィリピンの法律では、政府の許可を得た調査船と観光客船以外は自然公園への進入が禁止されています。2005年に環境保護団体グリーンピースの船舶が同じサンゴ礁を約100平方メートル損傷した際は、約7000ドルの罰金が科せられました。今回の米軍による損傷は、公園管理事務所の推計によれば約1000平方メートルに達します。