2013年2月17日(日)
海外投機筋が株高を演出
関係者 “実体経済回復せず”
海外の投機筋が引き続き株価を押し上げ、株高を演出しています。東京証券取引所が毎週発表している投資部門別株式売買状況(東京・大阪・名古屋3証券取引所1部・2部等合計)によると、昨年12月以降、海外投資家だけが一貫して株を買い越し、買った株が売った株を大きく上回っています。
日経平均が1万円を超えた2012年12月第3週には海外投資家が7019億円と、12月以降最大の買い越しです。個人投資家の買いも増えてきていますが、リードしたのは海外投資家です。個人はそれにつられて増えています。国内法人はこの間、ずっと売り越しです。
市場関係者は「円安とデフレ克服の期待感だけで株が買われている。実体経済は何もよくなっていない」と語り、「海外投資家は逃げ足も速い」と楽観的な見方を戒めています。別の関係者は「今は政治圧力相場、金融相場だ」と言います。
安倍政権が日銀に圧力をかけていっそうの金融緩和を推進させたことで円安が加速しています。このため円安で利益を増やす輸出産業を中心に株が買われています。実際、この間、株価が大幅に上がったのはトヨタ自動車、日産自動車、東芝など輸出大企業です。
大企業は賃上げを拒み続けています。いくら株高となっても国民の所得が増えないと不況克服に結びつきません。
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