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2013年2月18日(月)

NHK「日曜討論」

山下書記局長代行の発言

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 日本共産党の山下芳生書記局長代行・参院議員団長は17日のNHK「日曜討論」で、政府や参院の与野党代表と討論しました。


北朝鮮核実験

制裁を実効あるものに、核兵器ない世界をめざす立場に

 冒頭、北朝鮮の核実験への対応が議論となり、各党とも核実験を厳しく批判。自民党の中曽根弘文参院議員会長が「米軍と自衛隊が連携、協力しながらミサイル防衛の能力向上を」、日本維新の会の片山虎之助参院議員団会長が「日米同盟強化で米国に本気になってもらうことで圧力を」などと述べました。

 山下 北朝鮮の核実験を断固糾弾したいと思います。対話による解決のために国際社会が二つのことをやることが大事です。一つは、北朝鮮を対話のテーブルにつかせるために、国連(安保理)が決議した制裁を実効あるものにすることです。これまで北朝鮮は核兵器の放棄という合意を繰り返し裏切ってきました。それだけに中国を含む国際社会が一致して制裁を実効あるものにしていく、制裁のための制裁ではなくて、北朝鮮を対話のテーブルにつかせるために核兵器を放棄させることが大事です。もう一つは、国際社会が核兵器のない世界を本気で目指す。“私たちは核(兵器)をもう捨てるんだ、だからあなたも捨てなさい”。これが(北朝鮮に対して)一番強い立場にたてると思います。

補正予算案

賃上げ目標がない安倍内閣、経済界に本腰入れて要請を

 補正予算案の審議について世耕弘成官房副長官が「参院でも衆院と同じぐらいの審議時間を十分とるのが前提だ」としつつ、「総理の訪米(21日)前に補正予算案を成立させていただきたい」と発言しました。野党は「まだ審議に入らない前に21日にあげろというのは、院の存在を無視するもの」(民主党の輿石東参院議員会長)などと語りました。

 山下 補正予算案は徹底審議が必要です。最大の問題は、安倍内閣には物価を2%上げるインフレ目標はあるが、賃上げ目標がないことです。いま働く人の賃金がどんどん減り続けています。平均賃金で見るとピークの1997年から年間70万円賃金が減りました。こんなに下がった国は先進国では日本だけです。先週、日本共産党は“賃上げ・雇用アピール”を発表して詳しい試算をしました。私たちの試算では500億円以上の内部留保をもっている大企業700社で内部留保の1%程度を取り崩せば、8割の企業で1万円の賃上げができる。先日(8日)、衆院でわが党の笠井(亮)議員がこの試算をふまえて質問すると、安倍総理は“経営者に賃上げを要請する”。麻生副総理は“賃上げできる条件に企業側があることは確かだ”と言った。だったら、賃上げでデフレ不況打開を経済界に本腰入れて要請すべきだ。それがカギだと思います。

 これに対し世耕氏も「賃金はしっかり上げていく必要がある」と述べました。

「ねじれ国会」への対応

国民の意思と国会がねじれ、談合政治を許してはならない

 参院では自公が少数与党となっている「ねじれ国会」のもとで、どのように国民が期待する合意形成を進めるかが議論に。自民党の中曽根氏は「(衆院での再可決は)手続き的には可能だが、少数与党であり、謙虚に丁寧に」と表明。民主の輿石氏らは「是々非々で臨む」などと語りました。

 山下 衆参の「ねじれ」が問題になっていますが、私はもっと大きなねじれがあると思っています。それは国民の過半数が反対しているのに、国会では自民、公明、民主で消費税増税法案を強行してしまった。普天間(基地)の辺野古「移設」もそうです。憲法9条改定もそうです。要するに国民の意思と国会の中身がねじれている。これが一番大きな問題だと思う。しかも(自公民)3党だけで舞台裏で話し合って、3党が合意すれば国会の審議はないがしろにして強行する。「決められる政治」と称した談合政治を許してはならないと思っております。徹底的に審議をして国民の前に問題点を明らかにするのが国会の役割です。

 先ほど世耕さんから、賃金を上げている企業もあると言われましたが、NHKの大企業100社アンケートでは、賃上げを検討している企業は1社もなかったということになっておりますし、逆にボーナスカット、減額を検討している企業がある。そうじゃなくて、やっぱり260兆円、この10年で100兆円増えた内部留保をいかに賃金、安定した雇用に回すかがデフレから脱却し、経済を好循環に切り替えていく、こういうことも徹底して審議したいと思います。

 世耕氏は、賃上げについて「まず経営者が、景気がよくなって増収傾向にあることを実感することも重要だ」とこたえました。

国会同意人事

任務を果たせるかどうか、国会として調査することが大事

 日銀総裁をはじめとした国会同意人事をめぐって報道機関が事前に報道すれば国会への提示を見送るルールについて各党の考えを聞きました。民主党の輿石氏は「よくても悪くても現実にあるルールに従うのが民主党の考え」と表明。自民党の中曽根氏は「事前に出たから、提示もうけつけないというのはどうか。引き続きルールを協議することが必要だ」と変更を求めました。

 山下 国会の同意を求めるというのは、その任務が、国民の生活にとって非常に大きな影響を与える任務だからです。ということは、その人物がその任務を果たせる人かどうかをしっかり国会として調査するということが一番大事なことであって、そういう点では、手続きだとか聴聞だとか、質疑これをもっときちんとやるというルールこそ大事であって、事前に漏れたかどうかというのは本質ではないと思っています。ましてや与野党の駆け引きにこの人事を材料に使うのは、やってはならないことだと思っております。

参院のあり方

「再考の府」としての役割を、小会派の発言保障が大事

 最後に参院のあり方が話題に。「将来的には一院制を主張している」(みんな)、「道州制を考えているので、一院制もありうる」(維新)との意見が出たのに対し、日本共産党の山下氏は、「一つ提案がある」と述べ、次のように語りました。

 山下 参院は、再び考える「再考の府」としての役割を発揮するために、小会派の発言をもっと保障するということが大事ではないかと思います。今、10人未満の小会派には、本会議の質疑は、政府4演説と決算、この2回しかありません。今日討論に10会派出ているなかで、それ以外、重要法案の質疑ができるのは4会派しかありませんから。1953年の古い決定ですから、多様な民意を反映させるためにも小会派の発言権をさらに拡充することも大事だと思います。


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