2013年2月19日(火)
温暖化対策の前進を
大集会、米政権に決断迫る
ワシントン
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【ワシントン=山崎伸治】“気候問題で前進しよう”を合言葉に17日、ワシントンでオバマ米政権に地球温暖化対策に踏み出すよう求める大規模な集会とデモが行われました。
気温3度の寒風吹きすさぶ中、主催者によると全米31州から3万5000人が参加。環境保護団体「350.org」のビル・マッキベン議長が「運動を始めて25年になるが、これほどの集会はかつてなかった」と壇上から述べたほどの集まりとなりました。
集会の大きなテーマの一つは「キーストーンXLパイプライン」の建設問題。カナダ・アルバータ州で地中のシェール(頁岩=けつがん)層から採取される原油を、米テキサス州のメキシコ湾岸にある精製工場に運ぶため、全長約2700キロメートルのパイプラインを建設する計画です。
石油産業とその後押しを受ける共和党は推進の立場。環境保護団体は環境への影響が懸念されることに加え、温暖化対策に反対する石油産業の利益のためだとして反対しています。オバマ政権は2012年1月、この計画の不認可を仮決定。近く最終決定を行う予定とみられています。
集会では「オバマ大統領には子どもたちに希望の約束を届ける権限がある」(環境保護団体シエラクラブのマイケル・ブルーン事務局長)など、建設を認めないよう求める声が相次ぎました。合わせてオバマ政権に対し、温暖化対策を実施するよう訴えました。
東部バーモント州から15人でバスに乗ってきたという大学生、クリスタ・シュガートさん(20)は「パイプライン建設をやめさせるために来た。原油漏れなどの事故が起きたら取り返しがつかない。建設は私たちの将来を損なうものになる」と語っていました。