2013年2月28日(木)
高知公共工事事件
談合企業 自民に献金
中谷・福井・山本各衆院議員の支部など
「世話人」3社などから7000万円
高知県内の公共工事での国土交通省による官製談合事件で、談合に参加した企業や社長などが、同県選出の自民党衆院議員3人の政党支部などに3年間で約7000万円の献金をしていたことが27日、本紙の調べでわかりました。自民党・安倍政権による不要不急の公共事業の大盤振る舞いの中で、談合企業と自民党の密接な関係に疑念が深まります。
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談合企業などからの献金が判明したのは、自民党高知県支部連合会や、建設官僚OBの福井照・文部科学副大臣、中谷元・元防衛庁長官、山本有二・衆院予算委員長の各衆院議員と県議が支部長を務める支部など6団体です。(表参照)
漏えい
談合の「世話人」だったミタニ建設工業、入交建設、轟組の3社を中心に献金が行われ、2009〜11年の3年間で献金総額は6987万円にのぼります。
高知県の談合事件は、公正取引委員会が昨年10月、県内の建設業者37社に課徴金納付命令を出しました。
公取委や国交省の調査によると、同省四国地方整備局の土佐国道事務所と高知河川国道事務所の歴代10人の副所長が非公表の入札情報を漏えいしていました。遅くとも06年夏ごろから漏えいが行われていました。
漏えい情報をもとに「世話人」の3社が受注する業者の中から落札業者を“選定”していました。
贈答品
県建設業協会の会長(当時)だったミタニ建設工業の社主(同)から、ナシやトマトなどの贈答品を受け取った副所長が数人いたことがわかっています。
談合は、確認できただけでも08年から11年12月まで行われており、両事務所が発注した計165件(契約金額268億円)のほとんどで談合がありました。談合は高知港湾・空港整備事務所と県発注工事でも行われていました。
献金額をみると「世話人」3社が横並びで行っており、100万円を献金した年もあります。
山本議員の事務所は「公開されたものが載っていることなので献金は間違いないと思うが、事実関係を確認したい」と回答。自民党県連会長と高知県第2選挙区支部長である中谷議員、福井議員の両事務所は、回答を寄せませんでした。
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