2013年3月4日(月)
規制改革会議の委員企業 ぐるなび
大企業の飲み食い減税ナビ
交際費非課税求め全面広告
安倍晋三首相から内閣府の規制改革会議(議長=岡素之住友商事相談役)の委員に任命された滝久雄氏が会長を務める飲食関連企業「ぐるなび」が、「日経」2月28日付に「大臣、交際費を非課税にしませんか?」と呼びかける全面広告を出しました。
(松田繁郎)
菅官房長官や自民・民主に献金
|
税法上、企業の交際費とは、得意先や仕入先、事業関係者に対する接待や供応、慰安、贈答その他に類する行為のために支出する費用。現行では1人5000円以上の交際費が課税対象です。「ぐるなび」は今回これを非課税にするよう政府に求めたもの。いわば、大企業減税への“ご案内”です。大企業による政治家、官僚への接待、癒着がさらに進む危険性もあります。
「ぐるなび」は、広告代理店「エヌケービー」(旧交通文化事業)の一事業部として出発し、飲食店のインターネット検索サービスで急成長し、国内外で事業を展開。創業者で会長の滝氏は、親会社の「エヌケービー」会長も兼任しています。
政治資金収支報告書によると、「エヌケービー」は2003年の民主党大躍進パーティーに40万円、06年には自民党の政治資金団体「国民政治協会」に200万円を献金。
とくに菅義偉官房長官が代表を務める自民党神奈川県第二選挙区支部に対して「エヌケービー」は、09年〜11年の3年間に計30万円を献金しています。いずれも「エヌケービー」(「NKB」の表記も)代表は滝氏の名前が記載されています。
官房長官は規制改革会議の委員の人選に関与できるため、滝氏からの献金には職務権限との関係で疑惑が生じます。
「ぐるなび」の全面広告が出る10日前、民主党の桜井充議員が2月18日の参院予算委員会で大企業の交際費を非課税にするよう要求。飲み食いに巨費を投じている麻生太郎副総理・財務相が「自民党の質問かなと思った」「なかなかいいことを言う」と評価していました。