2013年4月1日(月)
大気汚染、インドも深刻
「PM2.5など中国と同様」指摘も
【ニューデリー=安川崇】中国や日本で健康への影響が懸念されている微小粒子状物質(PM2・5)などによる大気汚染は、インドの各都市でも深刻化しています。
在インド日本大使館は在留邦人に対し、マスクを着用することや窓の開放を避けることなどを呼びかけています。
首都があるデリー準州政府の報告書「デリー経済調査」(2013年版)によると、首都圏各地のPM2・5濃度は11年の平均で1立方メートルあたり108〜177マイクログラム。現地の環境基準である年平均40マイクログラムを大きく超えています。
背景には経済発展に伴う火力発電からの煤煙や車両の増加があるとみられています。報告書は「これまで経済成長には大きな関心が払われていたが、環境汚染については意識が低かった」と指摘しています。
より粒子の大きいPM10については、主要4都市(ニューデリー、ムンバイ、コルカタ、バンガロール)で環境基準の年平均60マイクログラムを超過。ニューデリーの10年の平均値は259マイクログラムでした(中央汚染管理委員会調べ)。
主要紙ヒンドゥスタン・タイムズは今年1月にニューデリーで565マイクログラムのPM2・5濃度が観測されたと報道。「中国の大気汚染が深刻? デリーも同様だ」との見出しを掲げました。
環境団体幹部のロイチョードリー氏は同紙に、当局による大気汚染対策の不備を指摘。「近い将来、デリーの大気汚染が中国・北京より悪化しても驚かない」と語っています。