2013年4月13日(土)
TPP事前協議 米国要求“丸のみ”
自動車・保険などで合意
首相発表
日本の環太平洋連携協定(TPP)参加に向けた米国との事前交渉が12日、合意に達しました。政府は同日、「日米協議の合意の概要」を発表しました。安倍晋三首相は同日夕、首相官邸で開いた関係閣僚会議で、TPPには「安全保障上の大きな意義がある」と強調しました。
安倍首相は、「TPPは経済的メリットに加え、同盟国の米国をはじめ、自由、民主主義、法の支配といった普遍的価値を共有する国々とのルールづくりであり、安全保障上の大きな意義がある」と述べました。
合意ではアメリカ側が求めていた課題に日本が譲歩した形となりました。自動車分野では、アメリカの関税撤廃を最大限、後ろ倒しすることで合意。また、TPP交渉と並行して日米間で別に交渉し、自動車の流通制度や安全基準、補助金制度などについて協議すると明記しました。さらに、保険や食品の安全基準などといった非関税措置についても、TPP交渉と並行して日米間で取り組むとしました。
そのうえで、日本には一定の農産品、アメリカには一定の工業製品といった配慮すべき品目が両国にあることを認識しながら、TPPのルールづくりをすすめることなどを盛り込みました。
日本がTPPの交渉に参加するためには、すでに交渉に参加している11カ国の同意が必要で政府は、まだ同意を表明していないカナダ、オーストラリア、ニュージーランドとの事前協議をいそぐことにしています。
交渉への参加はやめるしかない
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紙智子参院議員(党農林・漁民局長)の話 BSE(牛海綿状脳症)対策の米国産牛肉の輸入規制は早々と緩和したのに続き、懸案となっていた自動車や保険でも米国の要求を日本政府は“丸のみ”してしまいました。日本が環太平洋連携協定(TPP)交渉に参加したいなら、「入場料」を払えという米国のいうがままです。
安倍首相は交渉によって「守るべきものは守る」といってきましたが、事前協議ですらこれでは、本交渉で「守るべきもの」が守れるはずがありません。
TPPは、農林水産や食の安全をはじめ、暮らしや経済のあらゆる分野にかかわります。米国のルールで日本の国の形を変えてしまってはなりません。日本のTPP交渉参加表明は撤回すべきです。TPP交渉参加の危険性を知らせ、国民的な共同をさらに広げ、撤回に追い込むため奮闘する決意です。