2013年4月21日(日)
食品表示 先進国に学ぶ
消費者団体が国際シンポ
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政府は食品表示の一元化をめざし、今国会に新食品表示法案を上程しています。「消費者のための食品表示を」と運動する食の安全・監視市民委員会は20日、東京都内で、ヨーロッパと韓国の先進事例に学ぼうと国際シンポジウムを開きました。110人が参加し、講師の話に熱心に聞き入りました。
スウェーデンに20年在住し、遺伝子組み換え汚染を広げない運動に取り組むアキコ・フリッドさんは、ヨーロッパでは遺伝子組み換え原料を使ったすべての食品に表示され、「今後は遺伝子組み換えのエサを食べた肉や乳製品、卵への表示が課題」と語りました。
消費者運動の高まりを背景に、急速に表示が整備されている韓国からは、独立法人の食品安全情報院院長のムンウンスクさんが報告。栄養表示や原産地、食品添加物など各項目を詳しく紹介し、「国民の栄養不足から栄養の取りすぎが問題になり、子どもへの影響からファストフードでの表示も整備してきた」と話しました。
佐賀大学の岩本諭教授は、消費者の権利の成り立ちを解説しながら、新食品表示法案に言及。「現在の法案は事業者への配慮や不適正な表示の定義が定まっていないなどの問題もある。今回は初の消費者法で、食品が見えるような食品表示法にすることが大事」と指摘しました。
主婦連合会会長の山根香織さんが「食品添加物表示など具体的な表示基準を決めるのはこれからで、国の動きをウオッチし、声を上げていこう」と呼びかけました。