2013年5月9日(木)
TPP 事前協議さえ一方的譲歩
参院予算委 紙氏、交渉参加撤退迫る
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日本共産党の紙智子議員は8日の参院予算委員会で、環太平洋連携協定(TPP)交渉参加に向けて行われた日米事前協議を取り上げ、日本側が一方的に譲歩を迫られ、重要品目などでは何一つ担保を取れなかったことを明らかにし、交渉参加を撤回すべきだと迫りました。
紙氏は、日米事前協議について米通商代表部の報告書が「日本は高い基準での協定受け入れを表明した」と明記していることを示し、自民党が公約で掲げた農産物など重要品目について、何か担保がとれたのかとただしました。
安倍晋三首相は「これから始まる交渉の中で努力する」というだけで何の担保もないことを認めました。
紙氏は、事前協議では米側からの要求に日本側が一方的に譲歩を重ねたことを指摘。自動車分野では、関税撤廃の時期も不明確なもので米韓FTA(自由貿易協定)よりも米側に譲歩していることをあげ、「TPP参加のメリットとしてきたこともすでに崩れた」と追及しました。
保険分野でも、日本郵政のがん保険、医療保険の販売について新規・修正は許可しないと日本側が表明したと米通商代表部が報告しているとして、「米国の保険会社の要求に応えたものだ」と批判しました。甘利明担当相は「アメリカから言われてではない」としか答えられませんでした。
紙氏は「『守るべきは守る』というが事前協議ですら譲歩する一方なのに、『これから交渉力を発揮できる』といっても信用できない」と強調。「主権を放棄し、国の形を変える日米交渉は直ちにやめ、TPP交渉参加から撤退することこそ日本の国益を守ることだ」と主張しました。