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2013年6月7日(金)

未認可の遺伝子組み換え小麦発見

米国農家 バイオ企業提訴

休耕地に生育 除草剤効かず

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 米オレゴン州の農場で未認可の遺伝子組み換え(GM)小麦が発見された問題で、小麦の主産地であるカンザス州の農家が4日までに、GM小麦を開発した多国籍バイオ化学企業モンサント社(本社・米国ミズーリ州)に対し、賠償金を求める訴訟をカンザス州連邦地裁に起こしました。(野村説)


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 訴訟を起こしたカンザスの農家は、農場の畑の1%が問題のGM品種だったと語っています。GM小麦の発見が相場下落や海外の輸入制限を招き、米国の農家に損害を与える重過失だと訴えています。

 ロイター通信によれば、モンサントは提訴に対し「開発プログラムは政府の指針にそっており、法的責任はない」として争う構えを示しています。同社はGM種子の開発、販売で世界最大のシェアを持ち、ベトナム戦争で使用された枯れ葉剤の製造メーカーとしても知られています。

 米農務省は5月29日、問題のGM小麦がオレゴン州北東部の小麦休耕地で生育していたと発表。この未認可品種はモンサントが10年以上前に試験栽培していたもので、遺伝子組み換え技術によって除草剤が効かなくなっています。

 GM小麦の商業栽培・販売については、世界的な反発を受けた経緯があり米国でも認可されていません。米農務省は現在、調査チームを発足させ経緯を調査しています。

 先月末の発表を受け日本や韓国、欧州諸国ではすでに米国産小麦の買い控えが起きており、問題になっている品種の自生が地域を越えて見つかった場合、さらに影響が拡大する恐れがあります。

 欧州連合(EU)は、米国産小麦にGM品種が見つかれば輸入を拒否するとしています。


 遺伝子組み換え(GM)作物 他の生物から取り出した遺伝子を組み込んだ作物。農作物の収量増加や害虫対策などを目的に開発され、米国は除草剤を散布しても枯れない等の性質を持つ大豆、トウモロコシなどの遺伝子組み換え作物の生産大国です。健康への悪影響の懸念から反対が強く、生態系への脅威、独占企業による種子支配などの問題点が指摘されています。


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