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2013年6月13日(木)

IT受注 国から55億円

消費税増税“立役者” 財務事務次官の天下り企業

ビジネス拡大に人脈

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 巨大な“IT利権”と指摘されている「共通番号(マイナンバー)制」。その導入への口実とされた消費税増税の“立役者”、勝栄二郎財務事務次官(当時)が社長に就任予定のNTT関係会社の大手IT関連企業が中央省庁から3年間で少なくとも55億円もの事業を受注していることが本紙の調べで判明しました。 (矢野昌弘)


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(写真)勝前財務事務次官が社長に就任予定のIIJ本社が入居するビル=東京・千代田区

 この会社は、インターネット・イニシアティブ(IIJ、本社・東京都千代田区)。

 2010年に財務事務次官となった勝氏は、消費税増税法案を自民、公明、民主の3党が強行成立させた直後の12年8月に退官しました。法案成立にあたって大きな役割を果たしたとされています。

 勝氏は同年11月から特別顧問としてIIJに入社。同社は今年3月に勝氏の社長内定を発表。6月下旬に社長就任の予定です。

 IIJは、官公庁のインターネット接続やIT関連業務を多数請け負い、公共調達に強い企業とされています。本紙の調べによると、約3年間(契約日や落札日が10年4月〜13年4月)に「内閣府LANにおけるデータセンタ・インターネット等の貸借及び設計」13億6000万円など、少なくとも55億円超を国の16の行政機関から受注しています。

 勝氏が事務次官時代の11年に財務省からは「行政情報化LANシステム…に関わるコンサル一式」1億1300万円を随意契約で請け負っています。

 “IT利権”として業界が注目する共通番号制は、16年1月からの稼働にむけてシステム開発など巨額の事業発注が行われます。

 政府は導入費用に3000億円、年間の稼働費用に300億円と見込んでいます。しかし、国民全員に発行する「個人番号カード」の費用などは加えられておらず、実際には1兆円を超えることが予想されています。

 社長内定の記者会見で勝氏は「これまで築いてきた人脈を生かしながらビジネスの拡大に取り組みたい」(「朝日」3月29日付)と、事業拡張に意欲を見せています。


 共通番号制と消費税増税 勝氏が財務事務次官在任中だった昨年2月に国会に提出されたのが共通番号制法案です。当時の民主党・野田内閣が、消費税増税による低所得者対策のための「給付付き税額控除」に共通番号が必要として導入を図った消費税増税と“セット”の制度です。昨年11月の衆院解散で、番号法案は廃案になりましたが、自民党・安倍内閣がことし3月に再提出。自民、公明、民主、維新、みんなの党などの賛成で5月に成立しました。


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