2013年7月8日(月)
4.7億円献金要請 自民への税金還流
最悪の利権政治
自民党が参院選前に、ゼネコンの業界団体「日本建設業連合会」(日建連)に巨額な献金要請をしていたことを、日本共産党の志位和夫委員長が暴露し、反響をよんでいます。安倍首相は「党に確認しないと答えられない」といったきり、やりすごそうとしていますが、ことは政治の根本にかかわる重大問題です。(藤沢忠明)
志位氏が明らかにしたのは自民党と、自民党の政治資金団体「国民政治協会」(国政協)が日建連に出した二つの文書です。自民党文書で、巨大公共事業をふくむ安倍内閣の経済政策「アベノミクス」を説明。国政協文書で「(自民党は)『強靭(きょうじん)な国土』の建設へと全力で立ち向かっている」と強調。その「政策遂行を支援するため」として、4億7100万円もの献金を請求していました。
ゼネコン各社に
これは志位氏が指摘したように、「政治をカネで売る最悪の利権政治」そのものです。
国政協を通じた自民党への献金は、毎年おこなわれています。日建連は、加盟のゼネコン各社に、要請献金額を割り振るのです。
たとえば、国政協の2011年分の政治資金収支報告書によると、日建連の会長、副会長企業の清水建設、鹿島建設、大成建設、大林組、竹中工務店の5社が、横並びの各814万円を献金しているのをはじめ、会員企業35社で総額6627万2000円の献金をしています。
今回の特徴は、政権に復帰した自民党がすすめる「国土強靭化計画」が背景にあること。自民党の国土強靭化総合調査会(会長=二階俊博元経済産業相)が昨年4月にまとめたもので、高速道路など大型公共事業に10年間で200兆円を投資する計画です。当時、日建連の野村哲也会長(清水建設会長)は、「国土、人命、財産を守る建設業界として、自民党とはかなり一致する部分がある」と大歓迎しました。
同調査会の副会長で、今回の参院選比例区で再選をめざす佐藤信秋参院議員は、元国土交通事務次官。昨年11月に開いた政治資金集めパーティーのパーティー券を日建連に3000万円分、購入依頼していたことが明らかになっています。
日建連の常勤役員6人中、元建設省大臣官房審議官が事務総長など4人が旧建設省、国交省OBです。
消費税増税で道
公共工事の原資は国民の税金です。ゼネコンの自民党への献金は税金の還流です。しかも重大なことは、自民、公明、民主の3党密室合意による消費税増税法案は、消費税増税で財政にゆとりがうまれ、機動的対応ができるとして、「防災」「減災」と銘うった大型公共事業バラマキに道を開いたことです。
こうした政策の遂行と引き換えに巨額の政治献金をせびる―政治をカネで売るような利権政治をすすめる自民党に政治を任せるわけにはいきません。
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