2013年7月19日(金)
「もんじゅ」“調査 さらに必要”
破砕帯で専門家チーム
原子炉建屋直下を走る破砕帯(断層)に活断層の可能性が指摘されている日本原子力研究開発機構の高速増殖炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)について、原子力規制委員会の専門家チームは18日、前日に続いて現地調査しました。2日目の調査を終えた規制委の島崎邦彦委員長代理は「(活断層かどうか)すぐ結論が出る状況ではない。さらに調査が必要だとの感触を持っている」と述べました。
現地調査の焦点は、もんじゅの原子炉建屋直下にある8本の破砕帯(断層)の、敷地の西500メートルにある長さ約15キロメートルの活断層「白木(しらき)―丹生(にゅう)断層」との連動性や、敷地南東方向にある線状地形(L―2リニアメント)との関連性です。原子力機構は4月に、破砕帯は活断層でなく、L―2リニアメントの活動性はないとする報告書を規制委に提出しています。
専門家チームはこの日、L―2リニアメント沿いを歩き、露頭(地表に現れた断層)などを調べました。この線状地形は、もんじゅの敷地に延びている可能性が指摘されています。また、もんじゅの北側の海岸沿いの岩場の割れ目を観察し、L―2リニアメントとの関係を見ました。
今回の調査の中で、専門家チームが追加の調査の必要性を指摘した項目の一つが、原子力機構が原子炉建屋北東側の地表をはぎ取った地点で、原子炉直下にある8本のうち最も長い破砕帯の延長方向にある「α破砕帯」です。島崎氏は「新たな知見が得られた」と述べ、はぎ取り領域の拡張を求めました。
また、α破砕帯の形成年代について、原子力機構が4000万年前としているのに対して、試料採取点を増やすことや、違う年代測定法でやり直すことを提案しています。
α破砕帯などの上の地層は建設時にはがされ、活動した最新の年代を特定するのが難しいとされていますが、島崎氏は調査中にこの問題の進展に向けた具体的な案が専門家から示されたと話しています。
島崎氏は、調査後の会見で、破砕帯だけでなく白木―丹生断層自体がもんじゅに与える影響の評価も今後の課題としてあげました。