2013年7月25日(木)
日本政府の説明会
「秘密主義にあぜん」 利害関係団体
【コタキナバル=面川誠】日本政府は24日、マレーシアのコタキナバルで行われている環太平洋連携協定(TPP)第18回交渉会場のホテル内で、日本の利害関係団体への説明会を開きました。出席者によると、「みんな交渉の秘密主義にあぜんとしていた」といいます。
説明会には、全国農業協同組合中央会(JA全中)、中央畜産会、経団連などから約30人が参加。政府からはTPPを担当する渋谷和久内閣審議官が説明に立ちました。
渋谷氏は交渉文書や交渉での発言内容はいっさい明らかにできないと強調。日本政府が何を主張したかも言えないとの答えに、出席者の一人は「国内産業の展望が見えない」と不満をもらしました。
一方で渋谷氏は、「何か特ダネはありませんか」と出席者に聞くなど、日本政府も情報を持ち合わせていない現状を隠しませんでした。
農畜産団体の代表は、「10月で交渉が終わるという情報がある。戦々恐々としている」と述べ、多くの農畜産業者が生計の道を断たれるのではないかとおびえていることを訴えました。
渋谷氏は、TPP協定が国会批准に付される際には、影響を受ける分野の対応策も出すと述べる一方で、予算措置を伴う対応策は時間がかかるとの見方を示しました。