2013年8月4日(日)
原水爆禁止世界大会国際会議始まる
核兵器の非人道性広げて
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原水爆禁止2013年世界大会の国際会議が3日、広島市で始まりました。核兵器使用の「時間と空間を超えた」非人道性に対する国際的な注目が高まるなか、核兵器保有国や「核抑止」に依存する国々の抵抗を乗り越えて、核兵器禁止条約の交渉開始をどう実現するかなどを議論します。3日間の予定で初日は200人が参加。活発な討論が行われました。
開会総会で主催者あいさつに立った日本原水協の沢田昭二代表理事は「核兵器禁止条約の交渉開始の障害となっているのは、核兵器使用の可能性を背景にした非人道的な核抑止論だ。運動の課題がいっそう明確になってきた」と述べました。
広島で母親と被爆した日本被団協の藤森俊希事務局次長はあいさつで、毎年8月6日に母親が涙を流しながら子どもに体験を語ったことを紹介。「被爆体験が核兵器廃絶の原点」だと強調しました。
カザフスタンのアクルベク・カマルディノフ駐日特命全権大使ら政府代表も出席。同国のナザルバエフ大統領のメッセージを代読した同大使は「粘り強く一貫してたたかいつづけるなら、核の脅威を世界からなくすことができる」と述べました。
第1セッションでは「広島・長崎の体験と核兵器の非人道性、核兵器の全面禁止へ」をテーマに討論。被爆者の体験と被爆の全容、マーシャル諸島やロシアなど海外での核開発・実験の被害と運動について7人が発言しました。
そのうち、日本被団協の田中熙巳事務局長は、「広島と長崎の原子雲の下は灼熱(しゃくねつ)地獄のるつぼと化し、数知れぬ人間が苦しみのたうち回っていた。これほど人道に反することはない」と訴えました。
第2セッションでは核兵器廃絶のほか、朝鮮半島の非核化、軍事費の福祉・環境保護への転換、原発ゼロを目指す運動など、世界的な諸問題について国内外の代表が発言しました。
会議では、国連の潘基文(パンギムン)事務総長、ブラジル、メキシコ、ラオスの各大統領、赤十字国際委員会のマウラー総裁ら海外からのメッセージが寄せられたことが紹介されました。松井一実・広島市長のメッセージを同市の及川享・市民局長が代読しました。