2013年8月8日(木)
イラン新大統領
真剣な核交渉呼びかけ
再開へEU積極姿勢
【カイロ=小泉大介】イランのロウハニ大統領は6日に行った就任(3日)後初めての記者会見で、同国の核開発問題をめぐる欧米などとの交渉に関し、「真剣で実質的な」話し合いを早期に再開する決意を表明しました。アハマディネジャド前大統領の国際的孤立路線からの転換をめざす新大統領のもと、地域の安定に向け実際に一歩が踏み出されるのか注目されます。
ロウハニ大統領は会見で、同国がすすめる平和目的のウラン濃縮活動について、「国際的な規制に沿ったもの」であり、「この権利を放棄することはない」と改めて強調しました。
同時に、「われわれは真剣かつ時間を浪費しないやり方で交渉に入る用意がある」「相手方に同様の用意があるのであれば、双方の懸念は交渉によって、そう長くない期間内に取り払うことができると確信している」と表明。話し合いによる問題解決に強い意欲を示しました。
ロウハニ大統領は「イランに対し制裁によって自らの意思を押し付けることができるという考えは重大な誤りである」と述べ、欧米などに経済制裁解除を求めていく立場も力説しました。
イランと国連安全保障理事会常任理事国に独を加えた6カ国との核交渉は昨年4月から今年4月まで5回に渡り行われました。しかし、20%の高濃縮ウラン製造停止とひきかえに経済制裁の一部解除を提案した6カ国側に対し、イラン側はウラン濃縮の権利を主張すると同時に制裁の大幅解除を要求して折り合いがつかず、次回開催の予定は現在のところ立っていません。
6カ国側の窓口役である欧州連合(EU)のアシュトン外交安全保障上級代表は6日にロウハニ大統領に書簡を送り、「イラン側の交渉団とできるだけ早く有意義な話し合いを行えるよう日程を決めたい」と交渉再開に積極的な姿勢を表明しました。