2013年9月28日(土)
国連総会・核軍縮会合
抑止力で平和つくれぬ核兵器禁止条約締結を
各国呼びかけ
【ニューヨーク=島田峰隆】第68回国連総会は26日、核軍縮に関するハイレベル会合を開きました。ほとんどの国が、核抑止力論を批判し、2015年に開かれる核不拡散条約(NPT)再検討会議を展望して、核兵器禁止条約の交渉を速やかに開始するよう呼び掛けました。
会合は今年1月の国連総会決議で開催が決まりました。核軍縮をテーマに総会がハイレベル会合を開くのは初めてです。
マレーシアは「核兵器の存在そのものが人類と両立しない」と指摘。「われわれは核抑止力が世界の平和と安全を達成する手段だとは信じない。核兵器の存在は単にその拡散に役立つだけだ」「核兵器禁止条約の締結につながる国際交渉を最も早い日程で始めることを全ての国に求める」と述べました。
新アジェンダ連合を代表して発言したエジプトは「多くの国が核兵器を安全保障ドクトリンの中心に据えて世界の安全を不安定にしている」と批判。「核兵器の使用や使用の威嚇を防ぐ唯一の保障は全面廃絶だ」と強調しました。
ミャンマーは東南アジア諸国連合(ASEAN)を代表して核兵器全廃を要求。特に「核兵器のない世界」を達成するために必要な枠組みをつくる特別な取り組みを呼び掛けた2010年のNPT再検討会議の決議の全面実施を求めました。
潘基文(パン・ギムン)国連事務総長は、同氏が2008年に打ち出した核兵器廃絶に向けた5項目の提案を推進する姿勢を示しました。
一方、日本の岸田文雄外相は、核兵器の「削減」を述べるだけで核兵器禁止条約に触れませんでした。