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2013年10月11日(金)

「水俣条約」を採択

水銀使用削減 各国が署名

熊本・外交会議

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 水俣病の原因となった水銀の使用量を世界規模で削減する「水俣条約」が10日、熊本市で開かれている外交会議で採択されました。

 同条約は、水銀の輸出入などを規制し、環境汚染や健康被害を防ぐのが目的。会議には約140カ国・地域から首脳、閣僚を含む政府関係者が出席しました。採択後、各国・地域が条約に署名しました。

 条約では、輸出入できる水銀の用途を研究目的などに限定。不適切な利用に歯止めをかけます。水銀を使用した電池や体温計などの製造・輸出入は2020年までに原則禁止します。また、水銀鉱山の新規開発は禁止し、発効から15年後には既存鉱山での採掘も禁じます。一方で、途上国には水銀を回収する技術やノウハウを提供。使用量の削減を働き掛けるとしています。

 会議を主催する国連環境計画(UNEP)によると、各国内での法整備などを経て、条約は16年に発効する見通し。日本政府は、水銀対策として途上国に100万ドル規模の資金を提供する方針。

 条約制定をめぐっては、政府間交渉が10年にスタート。今年1月にスイスで行われた交渉で条文がまとめられました。条約の名称は、「水俣病と同様の公害を二度と繰り返さない」との日本政府の提案を受け決まりました。


 水俣病 熊本県と鹿児島県にまたがる不知火(しらぬい)海にチッソが垂れ流した有機水銀を蓄積した魚介類を食べた住民が、感覚障害、運動障害、視野狭窄(きょうさく)、言語障害などを引き起こした公害病です。新潟県阿賀野川では、昭和電工が有機水銀を垂れ流し、新潟水俣病を引き起こしました。いまなお、救済すべき潜在被害者が多くいます。被害の全容解明のための実態調査を実施してこなかった政府の責任が問われています。


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