「しんぶん赤旗」
日本共産党
メール

申し込み記者募集・見学会主張とコラム電話相談キーワードPRグッズ
日本共産党しんぶん赤旗前頁に戻る

2013年10月19日(土)

献金 排ガス規制に影

強化先送りの会議前

独BMW大株主 与党に9000万円

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 mixiチェック

 【パリ=浅田信幸】欧州連合(EU)の排ガス規制強化に反対するドイツ自動車メーカーの事実上の社主が、EU環境相会議の直前に、メルケル政権与党のキリスト教民主同盟(CDU)に日本円にして約9000万円の献金をしていた事実が明らかになり、大問題になっています。欧州の主要メディアもこぞって成り行きに強い関心を寄せています。


 独連邦議会事務局は15日、高級車として名高いBMWの大株主クワント家の3人(合わせて46・7%の株を保有)が今月9日にCDUに69万ユーロの献金を行った事実を明らかにしました。献金自体は違法ではありませんが、問題は日付。

ロビー活動最中

 14日に開かれたEU環境相会議は、地球温暖化防止のために自動車によるCO2の排出量を抑える新たな規制について合意に達しないまま閉会しました。メルセデスやアウディ、BMWなど排気量の多い高級自動車産業を抱えるドイツが自国産業を守るために、最後まで首を縦に振らなかったためです。

 メルケル政権は各国に強く働きかけ、英国や中欧諸国を味方につけて環境相会議での決定を先送りさせたとメディアは伝えています。問題の献金はそのロビー活動の最中に行われました。

 ベルリンからの報道によると、ドイツ左翼党のエルンスト連邦議員団副団長は「金権勢力の利益のために腐敗した政治」を行っているとメルケル政権を非難。汚職・腐敗問題を追及する国際NGOトランスパレンシー・インターナショナルのミューラー会長も、CDUは「自動車産業のマネキンだ」と厳しく批判しました。

企業献金禁止案

 社会民主党と90年連合・緑の党は政党への献金の上限を年10万ユーロ(約1300万円)とするよう提案。緑の党はさらに企業による献金を禁止し、個人献金に限ることを検討しているといわれます。

 これに対し、クワント家の代理人は「選挙戦に影響を及ぼそうとしているかの印象」を避けるために、9月22日の選挙終了を待って献金しただけだと述べ、CDUも「個別の政治決定に献金はいっさい無関係」と開き直っています。


見本紙 購読 ページの上にもどる
日本共産党 (c)日本共産党中央委員会 ご利用にあたって