2013年11月5日(火)
イラン核交渉を支持
最高指導者ハメネイ師表明
【カイロ=小泉大介】イランの最高指導者ハメネイ師は3日の演説で、同国政府が現在、国連安保理常任理事国(米英仏ロ中)に独を加えた6カ国と行っている核交渉を支持する立場を表明しました。7、8日にジュネーブで開催される次回協議を前にした発言が、交渉による核問題の解決をめざすロウハニ大統領への“追い風”になることは確実です。
イラン国営通信によれば、ハメネイ師は核交渉の行方について「楽観的ではない」としつつ、「交渉団は困難な任務を担っており、誰であっても、その任務を果たそうと努力している彼らの立場を弱めてはならない」「われわれが交渉によって傷つくことはない」と強調。核交渉に批判的な国内の保守強硬派をけん制しました。
イランと6カ国との核交渉は、6月のイラン大統領選挙で対外強硬路線から対話路線への転換を掲げたロウハニ師が圧勝したことを受け、10月半ばに再開しました。その前回協議ではイラン側がウラン濃縮レベルの引き下げに関する新提案を行ったことを6カ国側が「積極的だ」と評価したと報じられており、次回協議への内外の関心が高まっています。