2013年11月9日(土)
イラン核協議 進展か
6カ国と部分合意の可能性
【パリ=浅田信幸】イランの核開発問題をめぐり、ジュネーブで7日から始まった国連安保理常任理事国(米英仏ロ中)にドイツを加えた6カ国とイランの協議は、双方が「進展」を印象づける発言を行い、イラン側の何らかの譲歩による第1段階の合意の可能性も浮上しています。
協議内容の詳細は明らかにされていませんが、6カ国側のメディア担当を務める欧州連合(EU)のマン報道官は7日夕、「われわれは前進している」と明言。イラン側の交渉代表を務めるアラグチ外務次官は「交渉前よりも希望を持っている」と述べ、同様に協議が前進していることを強く示唆しました。
協議前にも米国とイランの双方から、信頼醸成の第1段階について、合意への期待、可能性が口にされており、その現実味が増しています。
オバマ米政権は6日、最初の部分的な合意があれば、制裁の一部を緩和することを明らかにし、イラン側に譲歩を促しました。可能な部分から合意を積み上げる「ステップ・バイ・ステップ」方式で交渉を進める姿勢を明確にしたものです。
イランのザリフ外相も6日発売の仏紙ルモンドのインタビューで「今週、ジュネーブで合意可能」との見解を表明していました。
制裁に苦しむイラン側としては、その緩和を勝ち取ることが優先課題。先月中旬に行われた協議では、6カ国側が「歓迎」する譲歩案を提示し、問題の打開に向けた双方からの歩み寄りに道を開きました。