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2013年11月19日(火)

伝承の“音”守れ

大阪 新名神建設で「鵜殿のヨシ原」危機

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(写真)篳篥を奏でる中川英男さん=18日、国会内

 横断する新名神高速道路建設から「鵜殿(うど)のヨシ原」を守れ―。大阪府高槻市上牧町と道鵜町に広がる淀川河川敷「鵜殿のヨシ原」は、雅楽の楽器に不可欠な良質のヨシ(葦)がとれます。18日、ヨシ研究者や雅楽関係者らでつくる「SAVE THE 鵜殿ヨシ原〜雅楽を未来へつなぐ〜」実行委員会は、国土交通省を訪れ道路建設の区間計画の見直しなどを求める要望書と、約7万9000人分の署名を提出しました。

 同実行委員会代表の中川英男氏(80)=大阪楽所代表理事=と小山弘道氏(76)=鵜殿ヨシ原研究所所長=が国会内で記者会見。中川氏は同省道路局長が「関係者で知恵を出し合い、道路と雅楽が両立できるように適当な方法を模索したい」と話したことを報告しました。

 要望書などによると、雅楽の主旋律を奏でる要の楽器、篳篥(ひちりき)の蘆舌(ろぜつ=吹き口・リード)はヨシで作られ、「鵜殿のヨシ原」が古来最適とされています。「現在も代わるものはありません」と強調。「鵜殿に道路が建設されると、雅楽に必要なヨシが育たなくなり、雅楽の伝承が非常に困難になります」「『音』はひとたび失われれば復元できない性質。伝承には保護が必要」と警鐘を鳴らします。

 小山氏は「雅楽は1300〜1400年続いてきた。篳篥の音色が変わらなかったというのはヨシの性質が変わらなかったということ。植物学的にも同じ性質を伝えていることは貴重だ」といいます。


 新名神高速道路 名古屋市を起点に三重、滋賀、京都、大阪と神戸市を結ぶ。「京都府八幡市―大阪府高槻市」区間は昨年4月、凍結解除となり着工が決定。2024年3月完成予定。


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