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2013年11月20日(水)

おかしいぞ NHK

中身伝えず「修正」協議ばかり

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 NHKの秘密保護法案報道が「あまりにもひどい」と、本紙読者から抗議や意見が寄せられています。

 「与党と維新、みんなの修正協議ばかり何回も放送している。共産党などは報じない」(78歳・男性)、「こんなニュースを見ていると、修正して通過させる道か、自民党の原案しか選択肢はないように思うのではないか」(神奈川・女性)、「各党の見解の紹介に公平さを欠く。抗議の電話をしたが、いまだに繰り返されている」(埼玉・男性)。

 実際にどう報じているのでしょうか。4日から18日まで2週間分の「ニュース7」「ニュースウオッチ9」を見ると―。

 「ニュース7」では、3分前後のニュースを8回放送しました。中身は、担当大臣の答弁をそのまま流すのが中心です。14日以後は、与党と維新の会、みんなの党との修正協議の模様を伝える政局報道に終始。18日はトップで約8分間扱ったものの、修正協議の動向がほとんど。一方、法案反対の立場は、日本共産党の市田忠義書記局長の「廃案に追い込む」というコメントを数秒伝えただけでした。

 「ニュースウオッチ9」は2週間でわずか4回。国会で審議に入った8日は各党の質問を並べはしましたが、安倍首相の「適正に対応する」という答弁で締めました。あとは、「修正協議」を扱ったのみ。キャスターは「法案をめぐる駆け引きはさらに活発になります」などと、衆院通過を期待するかのようにコメントしました。

 識者が語る「視点・論点」でも法案を扱うことはありません。

 世論調査では、法案に「反対」「慎重」が多数を占めています。テレビジャーナリズムの存在そのものに関わる法案について、一度も特集を組まず政府の宣伝役を務めるNHKの姿勢は、異常です。

 9日に山口市で開かれた「視聴者のみなさまと語る会」(経営委員会主催)でも、参加者が「秘密保護法案報道の公平性」を問いました。放送総局長は「野党や弁護士会などの声明も放送しています。政府に比べると、ちょっと数が少ないという印象があるかもしれませんが」と答えざるをえませんでした。

 折しも、「安倍首相と近い」と指摘される5人のNHK経営委員人事が国会で承認されたばかり。その影響で「ニュース報道がねじ曲がっているのではないか」との指摘もあります。公共放送の在り方が、大きく問われています。 (佐藤研二)


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