2013年11月26日(火)
論戦ハイライト
TPP 紙議員の参院決算委質問
情報の開示も国民との約束も破たんした―日本共産党の紙智子議員は25日の参院決算委員会で、安倍政権が年内妥結をめざす環太平洋連携協定(TPP)交渉について安倍政権を追及し、速やかな撤退を求めました。
紙氏 「公約破り認めよ」
首相 「国益守る」とごまかし
紙議員は、安倍晋三首相がTPP交渉に参加すると表明した時、「国民への丁寧な情報提供」「国民との約束は必ず守る」などと述べていたことに言及。しかし、交渉に初参加した7月のマレーシア会合の始めに「秘密保持契約」に署名した事実を突きつけました。
紙 参加する前は「情報がつかめず示せない」、参加したら「守秘義務があるから示せない」。こんな納得いかない話はない。
首相 対外交渉なのでお話しできないこととできることがある。
甘利明担当相も、「こちら(政府)にきていただければ悩みもご理解いただける」と発言。紙氏は「開き直るのですか」と述べ、国民との約束をなし崩しにする姿勢を批判しました。
紙氏は、10月8日のバリ島でのTPP会合で、西川公也・自民党TPP対策委員長が重要5品目について加工品や調製品の関税撤廃にむけ検討を開始したと表明したことに言及。高知県の自民党は、「到底、受け入れがたい」と怒り、同党幹部は「自民党は県民にうそをついていたことになる」と発言したことを紹介しました。
紙氏は、「総理は、自民党の総裁でもあるのですから公約違反を認めるべきです」と強調。首相は、「国益を守る最善の道を求めていきたい」などとごまかし続けました。
「地域経済が崩壊」
重要5品目の加工品・調整品の関税が撤廃された場合、国内農畜産業に与える影響も甚大です。
紙氏は、北海道十勝地方では総計5037億円、就業者数14万人の4分の1、約4万人の減少が試算されていると指摘(表)。「先人が130年かけてつくった地域経済が崩壊する。子どもの未来もない」という首長の声を紹介しました。
紙 北海道の美しい風景を崩壊させない、影響はない、と言い切れるのか。
首相 対策はしっかりやっていく。
紙氏は、安倍内閣の日本再興戦略は、大規模化や企業参入を前提に地域を支える農家を切り捨てるものだと指摘。コメの直接支払い交付金は10アールあたり1万5000円から7500円に減らそうとしていることをあげて、「『農業所得倍増』など現場では夢物語だ」と批判しました。
紙氏は関税撤廃で農業生産額が3兆円減ると政府も認めており、例外も10年から20年の経過措置でゼロになると指摘しました。
紙 国民との公約を守るつもりなら脱退する道しかない。
首相 2月、オバマ大統領との会談で、聖域なき関税撤廃はないと確認された。
紙 いまだにそんなことをいっているのか。
紙氏は、米国からも関税の全面撤廃を求められていることを指摘。ごまかし答弁を繰り返す首相に対し、「取り返しのつかない不利益をもたらす交渉からはいち早く撤廃すべきだ」と強調しました。
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