2013年11月26日(火)
イラン指導部が歓迎
核合意 イスラエルは非難
【カイロ=小泉大介】イラン核開発問題解決に向け国連安保理常任理事国(米英仏ロ中)に独を加えた6カ国とイランの外相が24日、ジュネーブで「第1段階」の措置を合意したことについて、イラン指導部は同日、相次いで歓迎の意を示しました。他方、対イラン軍事攻撃の選択肢に固執するイスラエル政府は「歴史的誤り」と断言し、国際社会の努力に逆行する立場をあらためて鮮明にしました。
イランのロウハニ大統領は24日の会見で「(平和目的の)ウラン濃縮の権利が世界から認められた」と「成果」を力説。同時に、「合意は地域と世界の平和にとって利益となるものである」「包括合意の締結に向けた動きはすぐに始まる。イランはそれを正しい方向で開始するための強い意思を持っている」と述べました。
同国の最高指導者であるハメネイ師もロウハニ大統領に宛てた書簡で、「合意は評価に値するものであり、交渉団はたたえられるべきだ。合意はイランが今後、賢明に行動するための基礎となりうるものである」「この勝利は国民の支持によって達成された」と表明しました。
一方、イスラエルのネタニヤフ首相は24日の閣議で、「これは『歴史的合意』などではなく『歴史的誤り』である」と強調。「最も危険な国家が最も危険な武器を手に入れるための一歩を踏み出したことで、世界はさらに危険になった」などと指摘しました。
そのうえで同首相は、「イランはイスラエルを破壊しようとしているが、われわれには自衛の権利がある。私は首相として、イランが軍事的核開発の能力を発展させることを許さない」と述べ、イラン軍事攻撃の選択肢を今後も排除しない姿勢を示しました。