2013年11月27日(水)
秘密保護法案
赤嶺議員の反対討論
衆院本会議
日本共産党の赤嶺政賢議員が26日の衆院本会議で行った秘密保護法案に対する反対討論は以下の通りです。
安倍内閣と自民、公明、みんなの3党が、国家安全保障特別委員会において秘密保護法案を強行採決したことに断固抗議するものです。
本法案は、国民の基本的人権をはじめ憲法原理にかかわる重大な法案であるにもかかわらず、わずか2週間余りの審議で、中央公聴会も行わず、質疑を打ち切り、討論さえ認めませんでした。質疑権、発言権をふみにじる議会制民主主義じゅうりんの暴挙であり、わが国の議会政治に重大な汚点を残すものです。
8割が反対
そもそも法案の概要が国民にはじめて示されたのは9月3日でありました。政府が15日間に期間を切ったパブリックコメントに9万件の意見がよせられ、その8割が反対でした。そうした国民の声をふみにじって安倍内閣が法案を国会提出して1カ月、法案に対する批判と反対の声は国民の各界各層に急速に広がり、慎重審議を求める国民は8割をこえています。
自民・公明両党は「審議はつくされた」といいますが、昨日の福島の地方公聴会でだされた意見をどう受け止めるのでしょうか。浪江町長をはじめ7人の意見陳述者から語られたのは、原発安全神話のもとで情報が知らされず、取り返しのつかない事故が引き起こされ、生活を奪われたことへの憤りです。法案の賛成者は誰ひとりなく、「秘密ではなく情報公開を」と求めたのです。こうした意見を無視した与党の責任はきわめて重大です。
秘密保護法案の危険な本質は短期間の審議でも明らかです。
基本的人権、国民主権、平和主義という日本国憲法の基本原理を根底から覆す希代の悪法にほかなりません。
第一に重大な問題は、「特定秘密」の指定が政府に委ねられ、政府の恣意(しい)的判断で勝手に決められることです。国民には何が秘密かも知らされず、自分が触れた情報が秘密かどうかわからないまま処罰されるのです。
秘密の指定期間は政府の判断でいくらでも更新できることになっており、4党修正によって原則30年から60年にのばされ、さらに例外まで設けており、永久秘密とされるおそれさえあります。
国民を監視
第二に、最高刑10年の懲役という重い刑罰で国民を監視し取り締まる弾圧立法です。
秘密の漏えいだけでなく、その未遂や過失まで処罰し、取材などで秘密を取得する行為、さらには、「共謀、教唆、せん動」も対象としています。逮捕されれば、裁判でも「特定秘密」は開示されず、暗黒裁判になりかねません。
第三に、そもそも日米安保のもとで歴代政府は「核密約」、「沖縄返還密約」を隠し続け、いまなお、在日米軍の特権や基地の運用にかかわる取り決めを明らかにしていません。「密約」の存在を認めず反省もせず、日米安保の秘密をいっそう拡大するものです。
秘密保護法で国民の目、耳、口をふさいで国民の批判を封じ込め、集団的自衛権の行使を容認して、日本を「海外で戦争する国」につくりかえる安倍政権の策動は断じて許されません。
かつて日本は、軍機保護法制で国民に真実を隠し、アジア侵略の戦争につきすすみました。その痛苦の反省にたって日本国民は「政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起こることのないやうにすることを決意」し、日本国憲法を確定し、戦後の出発点としたのです。
日本共産党は、違憲の秘密保護法案の成立を阻止するため、広範な国民と共同し最後までたたかう決意を表明し、討論をおわります。