2013年12月7日(土)
原発被害者の賠償より大銀行
取りはぐれないよう東電の債権置き換え
衆院委で塩川氏貸し手責任追及
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原発事故直後に東京電力へ無担保融資を行ってきた三井住友銀行をはじめとする金融機関が、昨年8月以降の新たな融資と資金供与の大半を“取りはぐれ”のない担保付き債権の「私募債」に置き換えさせている実態を、11月20日の衆院経済産業委員会で塩川鉄也議員が明らかにしました。
同事故の収束や賠償、東電経営再建などの方針を盛り込み政府が認定した「総合特別事業計画」に基づき、東電は資金協力の継続を金融機関に要請しています。塩川氏の質問に会計検査院は、「信託受託者」が東電の社債を引き受け、これを担保に金融機関が東電に実質的な一般担保付き融資を行うという「信託スキーム」の存在を明らかにしました。塩川氏は、「信託スキーム」による「私募債」は「一般担保付きの社債に相当するものか」と質問。東電の石崎芳行副社長も「おっしゃるとおりだ」と認めました。
塩川氏は、事故直後の2011年3月末までに金融機関が東電に供与した無担保融資残高3兆5146億円が、今年3月末には2兆8481億円に減り、一般担保付き私募債の残高は逆に7264億円に達したと指摘。原発事故で東電への貸し手責任が問われる金融機関が、自らへの弁済を原発事故被害者への賠償よりも優先する仕組みに、「国民、ましてや被害者の理解は得られない」と批判。「信託スキーム」の検証と総括を政府に要求しました。