2013年12月12日(木)
福島第1原発
別の排水溝からも汚染水
直接、外洋に流出か
福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)で、汚染水漏れタンク近くを通る排水溝とは別の排水溝からも、国の基準を超える放射能汚染水が直接外洋に流出している可能性があることが11日までに分かりました。
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汚染水が検出されたのは、原発構内山側から海のほうへ向かい、5、6号機のそばを通って港湾外の海に通じるA排水溝です。
東京電力は、11月6〜8日の3日間、5号機手前の地点で水を採取し、分析しました。全ベータ(ストロンチウム90などベータ線を出す放射性物質)が、1リットル当たり130〜150ベクレル検出されました。全ベータのうち、およそ半分はストロンチウム90(国の排出基準は1リットル当たり30ベクレル)と推定されており、国の基準を超えている可能性が濃厚です。
8月に300トンの汚染水漏れが発覚したタンクからは離れているため、別の汚染経路がある可能性が浮上しています。
放射性物質が検出された原因について、東電は「排水溝の周囲の土壌に積もっている放射性物質が混入したのではないか」と説明しています。
東電によると、A排水溝の水を分析したのは初めてで、これまでB、C排水溝で放射性物質が検出された原因を調査する一環としてほかの排水溝でも分析を始めたといいます。
今回の分析結果は11月25日に原子力規制委員会に報告しましたが、東電のホームページでは公表していません。東電は「準備ができ次第公表する」としています。